Preferred Networksがスパコン省電力ランキングで世界2位 「富岳」は10位に
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注目のコメント
1位じゃなくていいんです。
TOP500、Green500、その評価手法であるLINPACKを考案したジャック・ドンガラ氏自身が言っているように、これらのベンチマークランキングに意味があったのは90年代までで、実用上目指しても意味のない象徴的なものでしかないことが一般的に知られています。
例えるなら、サッカーの選手を100m走のタイムやリフティング回数だけで評価しているようなものです。
つまり、予算を提供する国家はランク入りを求める一方で、作っている当人たちはここで世界一になることは今となっては実用上意味がないことを知っているということです。一つの要因は、現在では線形な連立一次方程式を解くことよりも、微分方程式を解く用途の方が求められていることや、グラフデータの扱いが増えている(Graph500というベンチマークもある)ことなどがあります。
TOP500の歴史とHPLベンチマークの現状と将来
https://news.mynavi.jp/article/50th_top500-1/
また、Green500は評価の仕方にレベル1からラベル3まであり、チップのみの消費電力を測るものから、ネットワーク機器の消費電力までを含めるもの、その他システム全体の消費電力までを含める場合まであります。どのランクで計測するかは任意と言われています。
例えば、かつてPEZYのシステムがGreen500で世界一となり(後に代表の斎藤氏が詐欺罪で逮捕)有名になりましたが、同社のシステムは液浸の冷却方法に特長があります。一般的に、演算能力は、冷却した方が速くなります。推測するに、このシステムでは冷却に使われているエネルギーは消費電力としてカウントされていないと思います。それで消費電力が少なくなるというのは、それこそ詐欺じゃないかと私なんかは思ってしまいます。
こういう世界ランキングも国威発揚や予算の説明にはわかりやすくて良いですが、実用上無意味なランキングに血道を上げるのもそろそろ終わりにして欲しいものです。日本がGreen500に多数ランキングしていて、さらにそれを多くの人が喜んでいるのを見ると、少し悲しくなります。