VW、次世代技術に9兆円 5年間、EVやデジタル
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VWは5年間の投資・開発計画を毎年ローリングして開示している。
2021~25年の5年間での総投資額は15兆ユーロで前年計画から横ばい。大きく変わったのが内訳で、次世代先端領域を前回比22%増の7.3兆ユーロ(9兆円)へ引上げ、従って伝統領域は同14%減の11兆ユーロへ減少する。コロナによってCASE革命(自動車のデジタル革命)が手繰り寄せられる、そこへの対応が如実に表された。
7.3兆ユーロの中で、2.7兆ユーロ(同100%増)がソフトウェア領域だ。ここを見逃してはならない。規模を武器にした戦い。でも自動車は規模規模とずっと言われてきたが、嗜好性も強く、規模を追求した企業が必ずしも高収益になってきたわけではないのが難しい業界。
自分には、トヨタがSamsungモデルを取っているように見える。自社で完全に内製していることに加え、部品・システムメーカーとして他社への供給を志向している。ただSamsungは競合にも供給しているのに対して、トヨタは資本も時に持ちながら、アライアンス形式。
VWはディーゼルゲート・MQBの不発で出遅れながら、EVに注力。一方で元々の内燃・ディーゼル志向含めて、正直EV系のコア技術の蓄積では遅れている印象(十分に調査していないゆえの印象論もあるが…)。過去の累積投資のキャッチアップが今回の大きい投資額の背景にもあるように思う(あとはアピール、でもそれも重要)。
Teslaも内製志向を強めていて、元々強みにしてきた電池制御に加えて、電池は明確に乗り出していっている。
そのなかで、EMS・ファンドリーに相当する企業はいないので、完全な水平分業化にはなっていない。よく言われる「誰でも作れるようになる」にはなっていなくて、生産台数やその差など材の性質の違いはあると思う。物理的な大きさ、金型など、電子機器とは桁が2~3桁大きかったり小さかったりするものがほとんどだと思い、製造業としてはそれらを一括して受託しにくいように思う(歴史を振り返ればファンドリーも無理と言われながら今では完全にその時代になっているので、可能性は頭の片隅には入れておくが…)。https://jp.reuters.com/article/volkswagen-strategy/vw-boosts-investment-in-electric-and-autonomous-car-technology-to-86-billon-idUSKBN27T24O
VW全体で1500億ユーロの投資総額は変わらないが、電動化と自動運転への投資割合を約半分まで増やす計画ですね。
〈追記〉
中西PROのコメにコメで申し訳ないですが、ユーロのケタ間違えてますよ。