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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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家電、住宅関連機器、車載機器、電子機器、FA機器等の開発、生産、販売、サービスを行う総合電機メーカー。アジア中心に米州、欧州等に海外展開。2022年4月から持株会社制へ移行。
時価総額
3.59 兆円
業績
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社長会見における新社長の抱負には「青天の霹靂」なるキーワードがあります。新社長はある日突然、社長室に呼ばれ、「次の社長は君だ」と言われるのだそうです。その瞬間に、青天の霹靂の如くの驚きを覚えたというのです。
ご多分に漏れず、楠見さんは会見にて、次期社長だと告げられた時、「青天の霹靂」だったと回想しています。
そんなわけはありません笑
それどころか、数年前から社長の可能性を意識して、日々のタフな仕事にあたらないと、今の社長職は務まりませんから。
その点、楠見さんはパナソニックの次期社長として大本命でした。価格下落が止まらないテレビ事業をはじめ、売り上げが伸びるほどコストがかさんで赤字になる車載事業などを経験し、事業再建役というタフな役割を担い続けてきました。
そんな大本命が社長に順当に就任するのが今回のトップ交代です。ぜひ、26万人を率いる新トップの会見を、ご一読ください。
そのなかで記事がありがたい。
『競争力をいかにつけていくか、に尽きる』という楠見次期社長の言葉。そこと、今回のホールディングス制、また津賀現社長の『100%資本統合した松下電工は、パナソニックとは使っている「言葉」も違かった。』という言葉も併せて考えたい。
パナは、様々な事業をやっている。BtoBで高シェアな製品も多いが、売上規模も大きい中で表に出にくいものもある。松下幸之助氏の経営手法で代表的なのが事業部制。開発~販売までの全てのバリューチェーンを独立した事業部として、個々に経営する方法で様々な事業を生み出した。ただ松下氏が亡くなり、事業部間で対立もあり、シナジーがないという状況があった。それを廃止したのが中村改革の一つで、その後津賀氏が復活させた(過去と現在の事業部制で違うところがあるとは思うのだが、細部まで自分は調べられて・理解できていない)。パナ電工は会社も別だったので、特に違う部分もあるだろうが、言葉の違いというのはそういうところもあるだろう。
今回トップの変更と併せて、HD制になる。これまでもカンパニー制だったので、実質的に似た構造ではある。ただより細かく分けたり、子会社新設もありそう。より独立採算になりやすいし、資本・持ち分に関わるコーポレートアクションもしやすい構造になるだろう。
ただ、競争力という言葉に戻ると、独立採算は事業単位の競争力は追求しやすいが、全社競争力は見えにくい。独立採算とコングロを組み合わせた企業では、米国のEmmersonとかDanaharのように上手な企業は、HDとしての意思決定(内部市場)が事業売却含めてしっかりしている印象。日本の雇用慣習など含めてどれだけできるか。
ソニーもHD化するので、日本の家電2トップ(もはや家電という言い方は両社とも当てはまらないが…)が同じタイミングというのは興味深い。
リリースを細かく見ると、家電系と電気設備は「パナソニック株式会社」が複数事業を抱える形。また「持ち株体制移行後の体制」の組織図を見ると、いくつかの事業の「高さ」が違うところがあり意図なくこう表現しないと思うので、気になるところ…
リリース:https://bit.ly/32ZMjZt
私は2013年、新社長になったばかりの津賀さんをインタビューしたことがあります。100年近い家電メーカーにあって、脱家電を公言し、自分はクルマが大好きなんだと。米国駐在時はフォードのムスタングに乗っていたんだと、高らかに笑っていた姿が印象的でした。
事業の撤退や売却判断は割と他の電機メーカーの方が早く日立製作所やソニーなどはどんどんポートフォリオ改革を進める中で、パナソニックは大きく乗り遅れる格好になった。三洋電機や松下電工を吸収するところまではポートフォリオ改革の端緒にはついていたが、結局は成長性が見込めないビジネスを手早く手仕舞い出来なかったという印象。苦痛は伴うがやはり改革は一気呵成にやらないとだらだらとしてしまうのだなと思う。ホールディングスになって何か変わるというのだろうか?そこがまだわからない。
ひとつ思ったのは日立もソニーも会社の改革のキーを握ってきたのは外様の子会社からの出戻り組だった。中にいると見えないことも外から見るとよく見えたりするものなのでは?事業に思い入れがありすぎないことが大事なのでは、とは思う。そうした仕組みにはパナソニックはなってないってことなんだろうなあ。
これまでは社内の見える化という内向きな努力。これからは外に向かってアピールする段階に来ているのではないでしょうか。
デジタル化を求めている社会で、どう対応していくのか。ビジョンを掲げれば、それに向いてみんなが動き出します。
個人的には、地元・大阪にあるテレビ工場売却は衝撃でした。町の名前は、松下町でしたし、かつてエリザベス女王やトウ小平も訪れた工場でした。しかも今はAmazonの一大物流拠点。これもまた感慨深い
確かに比較すると以下のように分かりやすいが、、
時価総額 順位(時価総額順位)
ソニー 11兆円 5位
パナ 2.5兆円 50位
この2社の間には、
日本電産 6.7兆円 14位
エムスリー 5.4兆円 20位 ※新興 大株主にソニー
ファナック 4.7兆円 24位
デンソー 4兆円 30位
オリンパス 3兆円 42位
三菱電機 3兆円 44位
等がおり、もはや家電だけの企業ではない以上、
ソニーとの違いじゃなくてなぜ日本電産、エムスリーのようになれていないのか?という視点も必要なように思う。
確かに99.99%株主総会で承認されるのでしょうが、CEO(社内タイトル)では無く「社長」(株主承認事項)が決定事項で半年以上前に出るのはよくわからない。
パナソニック。B2Bへの変身は本来は当時競争力のあったリチウムイオンバッテリーを軸に車載で大きく伸ばす戦略だったはずだが、世界的な大コスト競争の中で予定通り行かなかったですよね。
ソニーも、虎の子のセンサー事業以外は車載というB2Bには手を出していないし、C相手の会社がBに転換するには人の入れ替え含めた大掛かりな外科手術が必要。
B2Cの原点回帰と考えていいんですかね?