三越伊勢丹、不動産事業をブラックストーンに売却 中計取り下げ
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タイトルだけ見ると三越伊勢丹HDが不動産事業から撤退するような印象を受けますが、同社の不動産セグメントは売上高353億円、営業利益59億円(2020年3月期)。有価証券報告書には賃貸等不動産として簿価1,394億円、時価2,156億円の資産を有しているとあります。
一方で今回ブラックストーンに売却する三越伊勢丹不動産は売上30億円、営業利益4億円、総資産177億円なので、不動産事業の一部を譲渡というのが正しいように思われます。
今回のディールで三越伊勢丹HDに計上される特別利益は約71億円ともリリースに記載されていますが、不動産事業全体を売却となれば、含み益に鑑みると少なくとも数百億円のキャピタルゲインとなるはずです。
有価証券報告書: https://pdf.irpocket.com/C3099/QW2b/U1QM/MHcL.pdf
株式譲渡リリース: https://pdf.irpocket.com/C3099/aMKh/IMkv/HrQZ.pdf
いずれにしても先日のエイベックス本社ビル売却のニュースしかり、不透明感を増す外部環境や資本市場からの圧力に備えるため、大企業からのカーブアウトやバルクでの不動産取引が活発化しそうです。念のために注記しますと、新宿、銀座、日本橋など虎の子の旗艦店の不動産は三越伊勢丹本体が保有してますので、今回売却するのはノンコアのマンション投資など行う子会社の株式です。三越伊勢丹が旗艦店を売却か?とした一部報道は、本件のリーク情報を拡大解釈したのでは。
ブラックストーンは日本のインバウンド関連に1兆円投資するような話がありました。
今回の三越伊勢丹HDの不動産の一部がそれにあたるのかあたらないのか、定かではないですが、訪日外国人がお金を落とすところに1兆円いまからはっておいて、5年後に回収、であればとてもいい同時になるんだろうと思います。
カネあるとこは強いなあ〜