米メルカリ事業の成功をバランスシート視点で考える
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メルカリは日本を代表するポストIPOスタートアップです。そんなメルカリがインターネットサービスの本丸米国での事業展開に果敢に挑戦しています。
サービスの素晴らしさや、PL/GMVなどKPIの動向はよく語られますが、今回はあえて、「財務戦略・資本政策的」な視点で、メルカリの米国事業へのインプリケーションを考察してみました。
メルカリ個別の事象としてだけではなく、上場後スタートアップの財務戦略を考える上での一つのケースとして、経営や事業戦略における財務戦略の重要性が少しでも共有できれば幸いです。
メルカリの挑戦、個人的にも大変応援しております。(以前もどこかで書きましたが)
ユーザーの預り金を打ち出の小槌と書かれていますが、メルカリではサービス開始以来一度もユーザーの預り金に手を付けたことはなく、全額別の口座で管理をしています。
会計上計上はしているものの、この部分は除いた状態で財務諸表をみることが本質的だと思います。メルカリのバランスシートを読む時に気をつけないといけないのは、メルペイが資金移動業と前払い式事業者の両方に登録していること。
資金移動業の部分は全額、前払い式事業者の部分は最低半分の預かり金を供託等で倒産隔離されています。
ただし、バランスシートは預かり金として一つの勘定科目に集約されています。
なお、同種事業をしているセゾンなどは、銀行保証にしています。このモデルになると、決済事業のコストが保証料となり分かりやすいと言えば分かりやすいです。
ですから、ざっくりと
①メルカリ事業日本の利益の範囲でメルカリ事業USAの赤字を賄う
②金融事業に必要な先行投資は借入金等外部調達で賄う
③メルカリ事業そのものの営業権相当が株価に反映される
→株価純資産倍率に連動
であればバランスが取れていると見れるのではないでしょうか?