【教養】「宗教と政治」を読み解くと、日本の形が見えてくる
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「ほとんどの宗教は、教義の中で暴力を否定して、平和を希求しており、宗教それ自体は人々の間に平和と調和、安定と団結をもたらすもの」だと橋爪先生。
では、なぜ宗教によって争いや戦争が起きるのだろう? そんな私の素朴な疑問に対して、先生が言葉を尽くして語ってくださいました。
その鍵は政治との関係性にあるとのこと。具体的にはどういうことなのか、各宗教と政治との関係や、日本の歴史的経緯を詳しく聞きました。
恥を承知で告白すると、私はその昔、選択した受験科目が世界史だったこともあり、「日本史って全然知らない……」という人間です。
なので、今回先生から伺ったお話は「名前は聞いたことあるけど、あの歴史的人物はそういうことをした人だったのか!そして日本はこんな歴史的経緯をたどってきたのか…!」という発見だらけで、とても楽しかったです。
「信長の野望」という単語に「おっ?」と思う方にはきっとお楽しみいただけるのではないかと思います。
安土城に秘められていた目論見とは? 家康のおとぎ話って? 知が詰まった1本を、ぜひお読みいただけたら嬉しいです!近世以降の中央政権に近い部分だけに光が当たり過ぎている印象を持ちました。ただ、論点から考えると、近世スタートにした方が分かりやすいのかもしれませんが。
一口に宗教といっても、何か一つの絶対的存在を中心とした他の宗教と同じ土俵には乗らないように思います。日本的宗教観のベースは八百万の神で、宗教は生活や環境を理解するためのストーリー。神道=天皇制というよりもむしろ、ベースは共同体単位、氏子圏を可視化するため。「境内」という領域は、西洋的宗教観から言えば、神社内の領域でしかないんですが、実際は、近隣氏子圏の居住域を含める場合もあります。
日本の宗教とは、共同体をつくるための必然性、ストーリーであり、それが時間をかけて改良され、隅々まで根付いてしまったので、近代化の過程で個人=国家という強い結びつきが上から必要とされた時邪魔になって、解体されたというのが私の理解です。
お話自身が分かりやすく魅力的だと思ったのですが、トップダウン的な日本という大きなまとまりが常に存在したような雰囲気で話が進められているような感じがして、ミスリードを招く可能性もあるのではないかと思いました。