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現代ミャンマーの軍の位置付けについて、歴史的な経緯も加えて現実的な事情も考慮する必要があると思われます。

1992年から2011年のタンシュエ独裁期間まで大学教育の大きな影響を与え、その水準が低下したと言われています。そのため、国家を運営できるような能力や知識のある人材が軍に集中しがちという状況がありました。

軍出身のテインセインが2010年の大統領選を経て2011年に大統領に就任しますが、きなり民主化勢力とならなかったことは、現実的にミャンマーにソフトランディングをもたらしました側面も否定できません。テインセインは、長年、軍人と行政官、政治家としての経験と能力があり、タンシュエの影響が無くなったことをもって、ミャンマーを「開国」に向かわせ、安定した経済成長に導いたという経緯があります。

2015年の総選挙では民主化勢力が勝ちましたが、憲法改正には軍人の同意が必須。議会の25%は軍人議席であり、憲法改正に必要な賛成は75%以上が必要となりますので軍人の同意が必要。先般、軍人枠の削減の憲法改正案が出ましたが、当然、軍人が同意するはず無く否決をされています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56642100Q0A310C2FF8000/

ミャンマーの行政や政治の人材不足という現実をみるなかで、非常に難しい状況に置かれていると思われます。軍人を排除した行政や政治を目指す場合に、国家を運営できるような人材を十分に集められるのか。仮にそうした場合、形としては軍を排除した「民主国家」になりますが、十分に国家を運営できなかったり、突然利権を奪われた軍による政権掌握といったハードランディングのリスクも十分に考えられます。

むろん、長期的にはシビリアンコントロールの強化が必要なことは確かです。とりわけ、ミャンマーの場合は、過去に軍が文字通り暴力装置として弾圧してきた歴史があり、現在も中央政府の目が及んでいない地域では、実質的に軍が地方での利権を抑えているケースも報告されています。投資やビジネス活動という視点ではこの不透明さ障害になります。

テインセインによる「開国」から僅か10年、民政回復の2015年選挙から僅か5年のミャンマー。現実的な課題との葛藤のなかで、次の政治的な着地点を見出すプロセスが必要な段階と思われます。
スー・チー氏の国民民主連盟が勝つのは確かですが、どれだけ勝つのか、が注目されています。
 今のミャンマーの政府与党というのは、国民民主連盟(NLD)と国軍が設立した政党、連邦団結発展党(USDP)、それに国軍などの連立政権です。
 ミャンマーの連邦議会では、25%の議席は、自動的に国軍に与えられることになっています。選挙で争われるのは、残りの75%の議席です。
 前回2015年の総選挙では、この制度下であっても、国民民主連盟は、USDPに圧倒的な大差をつけて、上下両院で単独過半数を少し超えるだけの議席を取りました。スー・チー氏は、国家顧問兼外務大臣というポストに就きました。英国人と結婚しているため、法律上、大統領にはなれないためです。
 今回の総選挙でも、前回のように単独過半数を取れるかどうか、が主なポイントになります。
 前回の選挙後もそうでしたが、たとえ国民民主連盟が単独過半数を取っても、国軍との連立政権になることは確実でしょう。国軍の権益が侵害されそうになるとクー・デタを起こす、という歴史を繰り返してきた国軍を政権に入れない、というのはスー・チー氏にとってリスクが大き過ぎます。大臣ポストの多数も国軍に渡さざるをえません。連立政権の枠組みは変わらないでしょう。
 それでは、国民民主連盟がどれだけ勝とうと何も変わらないのか、というと、そういう見方は非常に多いです。結局、選挙も実質的には、国民民主連盟と国軍側の、連立政権内の力関係の綱引きです。もはやどちらにも共感できない、という国民は多いでしょう。1982年に軍事政権によって国籍を含む全ての権利を奪われて、参政権も持たないロヒンギャの人々はなおさらです。
 ミャンマーでは、他にも少数民族地域での国軍の支配、土地や資源の略奪が長年の問題です。前回2015年総選挙後も、ほとんど改善はありませんでした。
 しかし、国民民主連盟と国軍の二択しか政権担当者の選択肢が無いので(そして両者は必ず連立します)、この二択ならまだ国民民主連盟がましか、という考えが今回の選挙結果の背景です。
アウン・サン・スー・チー氏が率いるNLDが過半数を維持できるかとういのが焦点。現状、優勢と伝えられています。