「顔パス」バス乗車、実験へ カメラで認証→自動支払い

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上田雅文
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 千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンで、顔認証技術を使って自動的に運賃が支払えるコミュニティバスの運行準備が進む。手ぶらで乗車でき、荷物を持った高齢者などの移動が楽になると期待されている。

 ニュータウンの開発を手がける「山万」(本社・東京)が、来年2月から実証実験をする。県によると、実用化されれば、県内の公共交通機関で初めて、「顔パス」で運賃が払えるようになるという。

 乗客を顔認証するバスが6日、お披露目された。乗車口にカメラ付きタブレット端末が掛けられている。乗ろうとする人の顔と事前登録されている写真を照合し一致すれば、現金や定期券を取り出さなくても乗車できる。運賃は乗客がシステム上に持つ電子通貨から精算される仕組みだ。

 実証実験に先立ち、五つのバス路線が7日、地区内に初めて開業した。当面は現金や定期券で利用し、地区の新交通システム「山万ユーカリが丘線」の駅や商業施設、病院をつなぐ。複数の交通手段を組み合わせて快適な移動を提供するサービス(MaaS)の実現を目指す。

 広さ245ヘクタールの同ニュータウンは、「住居から最寄り駅まで徒歩10分」を掲げた開発から50年目を迎え、約1万9千人が暮らす。ただ、住民の高齢化は進んでいて、「今は10分でたどり着くのが難しい」との声は少なくないという。家と駅の移動を補うバス運行は、そんな高齢化による住民ニーズに応えた格好だ。

 同ニュータウンでは、201…

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