図書館の本、スマホで閲覧可能に 文化庁が法改正検討
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文化庁が図書館の蔵書の電子データを利用者のスマホ等に送れるようにする著作権法の改正を検討とのこと。
絶版本とかはすごく意味のあることだなと思う一方、書店に並ぶ本などは
・どこまで読めるようにするか
・データの保護をどうするか
・著作権の観点からの著者保護
これらの問題解決が大事になる
注目のコメント
うーーん、何から書いてよいのやら、、、このことそのものは今のサービスの延長にすぎないものと思うが、さらにこの先にある知の公共化について考えざるを得ないからだ。
例えば、すでに2年ほど前から教育目的のための書籍の無料送信等、学術書、専門書、副教材となるコンテンツホルダーと、学校教育側との協議はつづいているが、補償金では到底、出版社や印税を主たる収入源とする研究者、著者は、再生産に必要な資金は得られず、そもそものコンテンツが、本という形では提供されない、できなくなってしまう。
これは日本に限ったことではなく、たとえば、カナダでは、教育系出版社の経営が成り立たなくなりつつあるなど、私が日本代表理事を務めるIPAの agendaの一つでもある。
出版社も著者も、本は広報と割り切って、収入源は別に探さないと成り立たなくなるのかもしれない。
10年ぐらい前には、こうした知の公共性と知財に関するシンポやパネルがよく開かれ、私も時々呼ばれもしたものだが、電子化とインターネットが技術的に可能になった時点で、原則としてこの流れは止められないことは明らかだった。
さまざまな各論については止めるとして、私見を述べると、無料で入手できる情報が増加し普及する一方で、本当に稀少な、多くのリソースを費やしたコンテンツは、今でもそうであるように、本ではなく、〇〇レポートのような形など、限定的に高額で取引される傾向が高まるのではないか。まあ、このNewsPicksでも、新聞の電子版などと同様、無料で読める部分と有料会員にならないと読めない部分があるわけで。
つまり、知と情報の公共化のための試みは、その知と情報を生み出す者への正当なリターンの仕組みを作っておかないと、再生産が不可能となり、粗悪な情報と高度な情報に二極化され、かえって知的情報格差を生むことになるのではないかと、そのことを危惧している。売れる本と売れない本とでは、立場が異なるかもしれない。売れる本だと、出版社から「民業圧迫」と言われるだろう。
https://newspicks.com/news/5368781
絶版本だけでなく、研究書など売れない本だと、買う人が少ないだけに、図書館から利用者に直接送信して端末で読めるようになれば、読者の目に触れる機会が増えるから、著者にとってもメリットがある。きょうの朝日新聞朝刊1面でした。
図書館が電子化する流れ自体はもう不可逆のように思えます。出版社、著者への補償金はもちろん必要ですが、いまでも厳しい図書館の財政事情を考えると、利用者に一定程度負担してもらう発想も必要になってくるかもしれない、と個人的には思います。
国会上程までの間に、閲覧を認める範囲、補償金をめぐってさまざまな条件闘争が起きそうな気がしますが、図書館側と出版業界側(著作者含め)はどちらも本の文化を広めるという同じ目標を持っているはずですので、一緒に「読む文化」の未来をつくっていく、という視点で着地点が見いだせたらと思います。