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それはともかく、クラシック音楽であろうと、能や歌舞伎、陶芸、現代アートであろうと、およそ文化というのは大量に慣れ親しむことによってしか理解できません。つまり、理解する人が増えるかどうかは、慣れ親しむきっかけが社会にどれだけ多くあるかで決まります。クラシック音楽は、インド古典音楽や現代ロシア音楽に比べれば、慣れ親しむ場が多いといえるでしょう。
慣れ親しむ場を増やすのに必要なのは、金です。欧米の場合、歴史上、教会、次いで王侯貴族、そして経済界が、音楽に慣れ親しむ場をつくることに資金を提供してきました。これは、古典的な音楽が、特権階級と不可分であり、古典的な音楽に慣れ親しんでいるのが特権階級の資格であったことと不可分です。
日本では、古典的な文化を維持する特権階級は解体されたし、残っているにしても経済力を持っていないので、そんなに寄付はできないでしょう。
日本人が文化に金を使わないということはなく、マンガやアニメ、ゲームへの支出は、世界的に見ても断トツでトップクラスです。階級社会のあり方が違う以上、欧米と同じようにはどうしてもできません。
ところで、米国は寄付型、欧州は公的支援によってオーケストラの運営が成り立っていますが、個人的な趣味をこじらせて、以前、米国のオーケストラの運営を調べたことがあります。ある地方の中規模のオーケストラに聞いたところ、一度そこは倒産したけれど、地元の有力者5名が1億円ずつお金を出し合い再建したとのことでした。日本では考えられないことです。
しかし、ポイントは、やはり日頃からのたゆまぬマーケティング活動です。アメリカのコンサートに行くと、いかに満足してもらうかを地方のオケなどは特にちゃんとやっています。音楽教室や街角コンサートなどのアウトリーチ活動も盛んです。こういう地道な積み上げがあって、寄付が集まっているのだと思います。
日本の文化芸術団体はどうでしょうか。お金をかけずとも、もっと出来ることがある気がします。次の小澤征爾が出てくるのではなく、次の小澤征爾を育てていくことが大切に思うのです。
2021年の東京・春・音楽祭の概要は、12月初旬に公開予定とのことです。
すばらしい活動だと思いますが、これが個人ではなく、企業にも似た想いと行動があれば、もっと大きなチカラになると思います。
名古屋でも、CoCo壱番屋の宗次さんが宗次ホールで、市民に音楽を楽しむ場を提供いただけています。
できれば、宗次さんのインタビューも掲載いただければうれしいです。
https://munetsuguhall.com/about/
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません
地元に根付いているクラシックやジャズの音楽祭は、ほとんど地元の祭りみたいになっているので、音楽愛好家だけじゃなくて、飲食とか地元の企業とかが積極的に支援していて、それで盛り上がっています。
なので、今年は開催できなかったけど、来年はやろうというモードになりやすいです。
仙台クラシックフェスティバルとかその好例ではないでしょうか。
*YOSAKOIとかジャズフェスと連携してて、その分だけ雑多な人が参加できるのがポイントかなと
音楽をハブにしつつ、敷居が低いというのがカギだと思っています。
私もクラシック好きですが、この敷居の高さというのは、ずっと課題だなと感じているので。
とても真似できないんだよな~ あの器のでかさ!