【池内了】科学と学術会議について、いま知ってほしいこと
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日本は政府組織、欧米は非政府組織。この時点で今回の自己矛盾を指摘する研究者はいないのでしょうか。戦前の反省を全く生かしてないですよね。
本当に志や意思がある研究者なら、政府の金をもらわずに、自分たちで政府から独立した組織を立ち上げて声をあげるべきではないでしょうか?
あと学術会議の提言が、日本人に幸福をもたらしているのかは分からないと思います。提言の中には、必ずしも民主主義の進化や科学技術の発展につながるとも言えないものもあると思いました。
研究者の方は高い専門性を有し優秀な方が多いと思いますが、報道の根底に感じる学術会議万能説はちょっと違うと思う。学術会議の人間が言うから正しいみたいなのは思考停止だと思います。
注目のコメント
良記事。僕が大学生になる前に北海道大学の物理学科に宇宙物理学の有名な研究者がいると噂で聞いてそれが池内先生でした(残念ながら大学入学後には既に転出されていましたが)。ちなみに、この記事で紹介された林忠四郎先生は押しも押されぬ日本の理論宇宙物理学・理論天文学のゴッドファーザーです(もちろん世界的歴史的な研究業績・科学への貢献という意味でです)。学術会議についてはコメントする立場にないですが、科学研究者と社会の関わりについては一個人として今後も考え続け適宜行動する必要があると考えています。
今回の内容ですが、私個人が注目した部分は、「今年に出されたものだけで68件に上ります」とされている「提言」です。
ポイントは、提言を議決した「幹事会」です。
日本学術会議の公式HP(※1)によると、今年出されたものも含め、ほぼ幹事会の決議によるものであり、わずかに2件(事実上1件)だけが、総会の決議によるものです(2008年以降)。
幹事会と総会については、それぞれ以下のとおりです。
幹事会:会長、副会長、部長、副部長及び幹事をもって組織された、日本学術会議の運営に関する事項を審議する組織(日本学術会議法第14条第1項、第2項)
総会:日本学術会議の最高議決機関(同第23条第2項)
…さて。
提言は、あくまで内規である日本学術会議会則(※2)第1条第2号および別表に規定された「意見等」です。ただし、内規とはいえ、会則は日本学術会議法第28条に規定されたものであり、適法なものです。
他方で、日本学術会議法第5条に規定された「勧告」については、ここ10年でわずか1件のみ、しかもこれも幹事会の議決によるものです。ここ20年で、ようやくもう1件だけ、総会の議決によるものがあります(※3)。
この他、回答、要望、声明、報告にしても、とにかく幹事会の議決ばかりであり、総会の議決があまりにも少なすぎるのです。この傾向は、2000年代に入ってから、ずっと続いています。
日本学術会議の最高議決機関である総会による機関決定を経ず、一部の幹部による幹事会の議決ばかり、しかも(法律にもとづくとはいえ)内規である規則にもとづく提言ばかりで、法律に規定された勧告をほとんどしていないわけです。
この実態は、組織のあり方やガバナンスの体制として妥当なのでしょうか?ここに、今回の問題点が見え隠れする気がします。
(字数制限により、かなり割愛・編集しました)
※1 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-15.html
※2 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417R00000003003
※3 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-3.html「知は力」
私が名大理学部の1-2年生だった頃、1度だけ大学生協企画で学生との対談という形で、当時同級生だった教育学部の学生委員(大学生協の運営を切り盛りする学生側組織の人間のこと)と共に、当時まだ名大にいた池内先生に乗ってもらったことがあり、そのときに頂いた言葉。
当時だと池内先生がそれこそ日本学術会議の委員を満了する頃位に今から思えばなるかと思うが、そのときに最後にメッセージとして頂いたのがこの「知は力」という言葉。
あのときは学部生だったこともあり、単に「今は学ぶことが大事なのかな」という程度にしか捉えることが出来なかった訳だが、一応は国際経済を教える大学の准教授をやるようになってNewsPicksのこの記事を読んでみると、この言葉のもう1段階の深みを改めて感じる。
私も資源・エネルギー論の講義の中で原子力を扱うときには、日本にも原爆開発に関わった人がいる(資金難などで断念[追記:Wikiなどだと断念理由は資料の空襲での焼失とある])から、先の広島原爆を「原爆」とすぐに分かった、という話は確かにする。
が、実際にそうした人の名前や話が挙がり、そのあと日本学術会議の創設にも尽力、ということをこのNewsPicksの記事で読むと、改めて「知」をどのように活かすかの重要性を感じる。