いすゞ、ボルボと戦略的提携 UDトラックスを2430億円で取得
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いすゞとVolvoは関係を深めていたので規定線、そこにホンダ・GM・Cumminsがどう関わるかが今後のポイントだと思う。
いすゞとVolvoは、記事にもあるように昨年12月に戦略提携で覚書を締結済み。①はその時のリリース、②・③は当時の記事だが、その時点のリリースでも第一弾としてUDについて譲渡する手続きを開始するとしており、③では買収価格が2500億円程度になる見通しとあり、その想定線で着地したことになる(が、割高という評価が当時からあった)。
いすゞは、FCVについてホンダの初の外部提供先として今年1月に連携(④)。そして、その後ホンダはGMと全般に提携を深めている。またGMは経営危機のために2006年に売却したが、いすゞとはそれまで30年以上パートナーだった。2014年にピックアップ(⑤)、2015年にエルフ級のトラック(⑥)で関係は復活傾向。そしてGM売却後少ししてトヨタと業務資本提携していたが、2018年に売却済み(⑦)。他にはCumminsと大型エンジンでの提携(⑧・⑨)もあり、大型についてはこっちが本命であるように思うが、製販の両面でグローバルでどういう模様になっていくか
①https://www.isuzu.co.jp/press/2019/12_18.html
②https://newspicks.com/news/4472455
③https://newspicks.com/news/4476244
④https://newspicks.com/news/4539629
⑤https://newspicks.com/news/634145
⑥https://www.isuzu.co.jp/press/2015/6_15prs.html
⑦https://newspicks.com/news/3220328
⑧https://newspicks.com/news/3358671
⑨https://www.isuzu.co.jp/press/2019/5_31.htmlUDトラックはボルボに買収されてから、ラインナップを整理し、不得意の中型トラックの自社生産をやめ、大型トラックにリソースを集中してきました。新型QUONが発売され、輸送業者から高い評判を得られています。
UDは大型車だけでやっていことに厳しい一面があり、いすゞはUDを傘下に収めることで大型車を強化し、ボルボとの戦略的提携も実現でき、今回の買収は両社にとってはwin-winの結果になるのではないかと思います。自動車業界は、一般商用を問わず規模の経済が効きやすい業界ですが、クルマの進化に耐えうるR&D投資が必要な観点からも、小規模では生き残りが難しくなっています。
UDトラックスの財務状況がわからないため、2,400億円の是非はわかりませんが、2007年にボルボが前身の日産ディーゼルを買収した際の1,700億円が一つの指標になりそうです。
販売台数自体は減少(貨物車+バスの台数は45万→42万)している中で、シェア拡大ないし収益改善ができていないと、少し割高かもしれません。もちろん、シナジーやボルボとの提携込みで評価すべき取引なので、2,400億円でも十分にプラスが出るといいなと思います。