コンサル会社の悩み、長時間労働なしで「プロ意識」をどう育てるか
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コンサル=虚業。こうした認識は多くの社会人に根づいている。なぜならこれといったモノ、空間を提供する存在ではなく高い依頼料に対しての非応対効果が得られないと考えられているからである。
こうしてなかなか信頼を勝ち得られないにも関わらず学生からの就活人気企業はコンサル会社が多くを占めている。
コンサル=長時間労働という考えも多くの人に根づいている。しかし現代では働き方改革などの労働基準が変わり長時間労働はできない状況になっている。このような状況でコンサル業界は今後どのようにしてプロを育成し、顧客に認められる価値を提供できる業界になっていくのか興味深い。
注目のコメント
「長時間労働」と「プロ意識」は相関しないと思いますが…
逆に、長時間働いていれば、プロ意識が生まれるのか、というと違いますからね。
そうするとコンサルタントとしての「プロ意識」とは何か、という話で、これは本当に個人個人で大きく異なると思いますが、私にとっては
「クライアントの期待値を超える」
ことです。
ここで「クライアントの」という点がポイントで、時々「自分の理想」を追求し過ぎて、もはや自分の知的格闘のためにやっているのか何なのか…となってしまっている事があります。アーティストであればそれで良いと思うのですが、ビジネス界でのプロフェッショナルとしては、投下する経営資源とアウトプットのクオリティのバランスが重要かと思っています。
特に私たちのように時間単価が定められている、更に現在のようにビジネスのローンチにスピード感が重要になっている世界においては、「如何にクイックに、高いクオリティのアウトプットが出せるか」は重要になっていると思います。
もちろん綺麗ごとではなく「クライアントの期待値を超える」ために、私がコンサルになり立ての10年以上前は2徹、とかありましたし、その頃の経験は貴重なものだったと思いますが、当時から事業環境は変わっています。
要は長時間労働という力業で出せるパフォーマンスの多くは、AIを始めとしたテクノロジーに置き換わり、私たちがフォーカスすべきは力業ではない領域(例えば発想力や、エコシステム形成に向けたステークホルダーの巻き込み力、実行力など)ではないかと思います。
更には「高給人材派遣」と揶揄される人工型ビジネスからの脱却に向けて、コンサル自身がサービス提供主体になるなどのビジネスモデル変革が重要になっています。
その辺りの大きなトレンドを踏まえて、自分がどのような時間の使い方とバリューの出し方が可能なのかを考えていく転換期にあるのかな、と思っています。確かにコンサル企業で働き方改革の波は否応なく押し寄せています。弊社でも、「Project PRIDE」の名のもと大規模な改革を実施し、社員の残業時間は大幅に削減されています。その意味で、十年前のコンサルタントと今のコンサルタントで意識に違いがあるのは当然と言えます。
しかし、求められるプロ意識自体にも変化があることを忘れてはいけないと思います。コンサルはビジネスの特性上、人月商売になってしまうため、月単価に対していかに価値を出せるかを意識してきたのがこれまでのコンサルです。価格固定で、勤務時間を動かしてアウトプットの質を上げていたわけです。
近年では、ソリューション売りや成果報酬スキームなど、契約方法の幅も広がっており、必ずしも人月単位の売り方で勝負するわけではありません。これまでとは逆に、勤務時間固定でアウトプットに応じた価格を変動させていく時代になっているわけです。
つまり、現代のコンサルに求められるのは、決められた時間内でいかに高品質のアウトプットを提供するか、そのプロ意識だと言えます。新卒でコンサルに入って1年目。本当に仕事ができず辛かった思い出ばかりです。一番きつかったのは地方のお客様の案件で、どう担当モジュールを進めてよいかわからず毎晩夜中3時までお客様のビルに残って資料を漁り、ウィークリーマンションに帰り3時間寝て、8時過ぎにプロジェクトルームに出勤していた時期ですね。
ですが2年目、3年目になりますと、仕事の勘所もつかむことができ、毎日20時過ぎには帰っていましたね。楽しい懐かしい思い出です。
さて、確かに上述のような長時間労働もしてきましたが、必ずしもそれとプロ意識がセットになるわけではないかと。
「プロフェッショナルとして顧客にバリューを出す」このことを上司・先輩から徹底して言われ続けたことが一番プロ意識の醸成に役立ちました。最初はバリューを出すために時間が掛かりますが、頭を使い生産性を高めることを求められ続けることこそがプロ意識醸成に役立つと思います。