NY株続落、222ドル安 コロナ懸念、ITは上昇
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米国株式相場は、続落。ダウ工業株30種平均は前日終値比222.19ドル安の2万7463.19ドルで終了し、ナスダック総合指数は72.41ポイント高の1万1431.35で引けました。ニューヨーク証券取引所の出来高は相変わらずの薄商いで前日比4424万株減の8億3641万株でした。
昨日の相場マイナス要因は前日に引き続き、新型コロナウイルス感染問題と追加経済対策問題でした。特に新型コロナウイルス感染の影響は大きく、久し振りにコロナ典型相場と言えるダウ下落とナスダック上昇のコンビでした。
新型コロナウイルス感染問題に関して、米国では50州のうち36州で少なくとも2週連続で感染者が増加し、死者数も7州で2倍以上になっている状況です。
市場では、米国政府がこの影響で大規模な経済活動の再規制をしないとの見方が大勢ですが、冬に向けてさらに拡大すれば、景気への悪影響は出てくるものと予想されます。
追加経済対策問題に関して、トランプ大統領は、追加経済対策のまとまる時期が、大統領選後になる可能性が高いとの認識を示しました。
ホワイトハウス報道官も「ペロシ米下院議長の提案を見る限り、選挙前に合意する可能性はわずか。合意に達するには数週間を要する。」と表明しており、追加策が大きく遅れるのは確実となりました。
一方、決算発表を控えるIT・ハイテク株には好決算が期待され、、一部買い戻しも入っていました。しかし、米大統領選まであと1週間となる中で、ポジション調整の動きも見られ、積極的に買戻しを試す動きまでは見られてませんでした。
米大統領選については、今回は100年ぶりの高投票率を記録するのではとの思惑が出ています。
既に郵便投票では6000万票を回収しているようですが、開票後に次期大統領がすんなりと決まらない空白期間が出るのではとの不安も広がっており、投資家はポジションをいったん手仕舞うか、ヘッジの動きを増やしてるようです。
過去2営業日を見ますと、世界各国における都市封鎖や経済的なダメージを市場が織り込んで来ています。
しかしながら、多くの投資家が中期的な楽観的シナリオを持ち続けているようで、米国経済のV字回復のプロセスにあると認識しているようですが、果たしてどうなのでしょうか?短期的なチャートを見ると、まだ下方調整の動きの可能性は否めなくも見えます。米株指数は崩落待ったなしな状況に、私には見えます。
このまま下落が続けば、今日明日中にはダウ27000ドル割れ、更に26000前半へ向かう動きとなったら今年2-3月の再現になる可能性もあります。
ここ数日ずっとコメントしてますが、米株指数チャートに現れている一目均衡表の「雲」が、ここからの下落を支えられる状態にありません。
今はまだ、欧米の低調に足を引っ張られてるだけに見える日本株も、再び円高がはじまったことや、日経平均のパラボリックが陰転したこと、海外大手が大きなプット売りを入れていない(多分)ことなどを見ていると、かなり危うい状況になってきていると思います。
間違っても、下落に対する逆張りを仕掛けるような状況と思わない方が良いと私は思います。
レバレッジをかけてまで大きくブルに降っている人は早めに解消した方が安全です。というか、そういう人たちがどんどんいなくなっていって今のような状況になってきているのかも知れませんけど。