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ワトキンス氏は、もともとポルノ・サイトの運営などを稼業にしていましたが、日本の2ちゃんねるやそれを模した英語版の8chanの運営というビジネスに乗り出しました。
ワトキンス氏が、2ちゃんねるから学んだのは、インターネット上の巨大掲示板が、それまでマスメディアに全く発言権も共感も持っていなかった膨大な層を引きつけられる、ということです。特に、民族差別や宗教差別、疑似科学、反エリート・特権層、などを声高に主張できる「場」の巨大な需要がある、ということです。
日本の2ちゃんねるを模倣した米国の掲示板としては、すでに2003年から4chanがありました。しかし、ワトキンス氏は8chanを、このようなQanonの主張と同じような反権威、反リベラル、陰謀論を熱烈に支持する層が集まる場として2013年につくりました。
Qanonのアカウントは、2017年を中心に、8chanを中心として、時には4chanでも活発に発信し、その主張は急速に拡大しました。ワトキンス氏自身がこのアカウントで発信していたかどうかはともかく、8chanという場をつくったのは彼で、類似の主張は、2013年の開設当初から、急速に広まっていました。
2016年のトランプ政権誕生で、キリスト教右派と4chan・8chanは、車の両輪の役割をした、といっても言い過ぎではないでしょう。日本でも、2ちゃんねるの政治的影響は非常に巨大なものであったと思われます。2000年代の日本の文化輸出で、最も世界的な影響があったのは、この2ちゃんねる型掲示板でしょう。はるかに巨額の予算を費やしたクール・ジャパン戦略などよりも、はるかに巨大な影響でした。
2016年、トランプ大統領を確実に支えたのが、熱狂的なトランプ信者です。彼らたちは2020年、変わっているのか、いないのか。今回、NewsPicksとQuartzの記者3人がテキサス、フロリダ、カリフォルニア州を周って取材、トランプ信者の熱量を探りに行きました。今日から現地レポートを公開します!
初日は熱烈なトランプサポーターとして大注目になっているQアノンです。
彼らの特徴は、ネットでつながる集団で、コンタクトがなかなか取れないことです。1ヶ月かけてようやく見つけたQアノンたちは驚くべき、強烈なトランプ愛を持った人たちでした。
なぜ彼らが、とんでもない陰謀論を信じているのか、そしてトランプ大統領がどう巧みに彼らを利用しているのかが今回の取材を通して浮かび上がってきました。
それにしても、ヒラリー・クリントンが若い女性を誘拐、殺害しているという論理は荒唐無稽すぎて、頭を抱えました。しかしQアノンが少数派だと言って完全に無視できないことも事実です。
トランプ大統領の最大の武器は、石が降っても、槍が降っても、絶対にトランプに投票するという熱烈な支持者たちです。4年前、そんな人たちが世論調査やデータ分析をすべてひっくり返して、トランプ当選を後押ししました。
NewsPicks✕Quartzの取材メンバーで、今回は「Qアノン」(想定500万人ー1600万人)、「福音派」(想定8200万人)、「白人至上主義グループ」、「農村部」など、多くの日本人が見ることのない、リアルなトランプ支持者たちをレポートします。
1話目は、いま世界的に問題になっているQアノン。トランプを救世主と信じる、陰謀論を唱える人たちに直当たりしています。
(本気な思いで。対応に困り、スルーですが。)
子供の頃進化論やビッグバンについて話したら、とても厳しく怒られました。
例えば
◯今の国の醜さを大統領のせいにするのは、太っている事をフォークのせいにするのと同じだ
◯あなたがアメリカ人なら、あなたはネイティブアメリカンか、奴隷か移民か難民のどれかだ
◯忠誠の誓いが必要だと思う人はシェアしよう!
(国旗に顔を向け、右手を左胸の上に置き、起立して暗誦する文言の事。
「私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います。」
ちなみに、私のいた地域の幼稚園や学校では毎朝言ってた記憶が。そして当時の幼稚園での男子のなりたい仕事人気1位はアメリカ大統領。)
日本に入る情報に偏りがあるため、また国際的に発信するパワーや意識を持つメディア自体割と偏りがあるため、この様な人たちが数奇に極端に映ります。
しかし、実は決して少数ではない事を知る事も、アメリカ大統領選、そしてアメリカ自体を考える上でとても大切。
個人的に気になるのは、日本にいるQアノン的解釈の人。かなり熱心に話され、、、なぜ、そこに至ったのが気になります。
ご苦労様でした。
ネットの氾濫する情報を読者・視聴者が正しく選択する事がますます困難になって来ている。
陰謀説はその最たるもので、日本でも芸能人が自殺した後に他殺説や業界陰謀説などが登場。
こうゆうものが厄介なのは、普通のメディアやワイドショーより内容が刺激的なので、好奇心でつい見てしまう事。
結局信じられるものは、自分の選択眼しかないのだが、それをサポートするのもメディアの良心。
NPの様な新しいメディアにはそれを是非意識してほしい。
それにしても、NewsPicks × Quartzの渾身の取材。
きのうの大統領選挙の討論途中に、NBCの司会者が速報として、フロリダ州での有権者の投票行動に、ロシアとイランが関与の疑いと伝えました。
東京五輪への“サイバー偵察”をイギリスが明らかにしました。直近の大統領選への“けん制”ともとれますが、陰謀論は拡散されればするほど、染み込んでいくとみられます。あと10日間、混乱なき選挙を望みます。
そして自戒も込めて。人は自分が信じたいことを真実だと思って信じる。真実の断片が、全体としては真実ではないことを信じることにつながることもある。自分自身でもそういう部分があると思うし、改めて「知る」ということの重要性や、「知ると信じるの切り分け」の重要性を感じる。
今までトランプをどういう人がどういう論理で支持しているのか、正直、それほど詳らかに知らなかったのですが、こういった背景があったのかと驚きました。なかなかこういう情報は得られません。大変な労作だと思います。
気をつけなければならないと思ったのは、荒唐無稽な陰謀論を信じるのをリテラシーが低いから、というような解釈をすることです。
まさにそれは、そうした陰謀論を信じる人々からすれば、「そうやって我々をまた騙そうとしている」と解釈されますし、そもそも対立を助長しても何も物事は改善しないと思うからです。
難しい問題ですが、やはりそのためには、信奉者の人々がどうしてそこに至ったのか、という過程こそが重要であると思いました。
そこで是非今後のレポートで知りたいことは、
1.なぜ支持するようになったのか、陰謀論を信じるようになったのか、whyというよりもreason(いつからどんなきかっけで?どのようなライフストーリーがあったのか?など)
2.その人達の現在の社会的な位置づけ
3.支持者・信奉者間はどのようなつながりがあるのか、あるいはないのか
などで、誰が、どういったわけで支持しているのかよく分かるように思いました。
うーん、日本のネット掲示板の長い歴史でもこういうネット上にしか現れない謎の存在とか、実在するのかどうか怪しい存在というのは度々現れては話題にになり、そして、消えていった。
日本人にとって身近な例で言えば、最近の与野党の論戦での証拠有無にかかわらず疑惑でつるし上げるようなタイプの言説などはまさに似ている事例かなとも思う。
面白いのは日本とアメリカの対比だろうか。
アメリカでは持たざるものたちが、協力して、持てるものたち(リベラルのお金持ち)の「ありもしないかもしれない問題」をあげつらってつるし上げる。
日本ではリベラルというか、左派がマスコミも巻き込んで右派(体制側)をつるし上げる。ないことを証明せよという「無理筋の悪魔の証明」を要求しているのはどちらにも共通している。だって、本当に無かったことを証明することなんて出来ないわけで。。。
日本とアメリカでは右左と貧富が逆転してしまっているような状況なんだなあ。
トランプがよく言う、「そんなのフェイクニュースだ」の最たる例がQアノンなのでは?という気もするが、当のトランプがこのQアノンを黙認しているというのは非常に不気味だし、こういうのが衆愚政治というのだろうとも感じられる。
(こういう風に決めつけるからまた分断が起こるのかもしれんけど)
実業家でお金持ちでもあるトランプがこうした怪しい陰謀説を囁かれる方が普通な気がするんだけどなあ。トランプ自体をヒーロー視するというのも不思議なんだが、本当にアメリカ国民の気質がまだ理解できていないんだろうな、私は。