ソフトバンクG、新設上場株投資部門で200億ドル超投資へ-関係者
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一見すると物凄い大きな金額(2兆円)に見えるが、2つの観点でこの規模感の意味を冷静に見定める必要がある。
1)上場株の投資ファンドという観点では、ブラックロック800兆円、バークシャー50兆円など規模の観点で最大ではない。一方、分散投資を行うファンドであれば数千円のファンドはごろごろ存在し、それよりも大きい
2)ビジョンファンドは10兆円であり、相対的には未上場株式投資で実施した規模感に比較すると小さい
両方の市場に投資をするメリットは分散投資という意味でも、業界動向の知見を得る意味でも大きい。最終的にスケールさせるのが上場株投資にならざるを得ない気はするものの、まずはビジョンファンドのスケール対比で意味のあるサイズからスタートするという意図であろう。
今後、上場株投資としてどのようなストラテジーを取るのか注目したい。ストラテジーによってはこの規模がより意味のあるものになってくるだろう。
郡戦略のための1ツールとみなすのであれば、単純なベンチマーク対比の分散投資ではなく、集中投資の戦略を取ることになろう。上場してしまったポテンシャルの高い企業に対して、資本の論理をつかってグループ化するための財務戦略の一環として考えると自然に思える。AUM(運用総額)的には1-2割いくかいかないか、ただ一度始めたら、そして成功すればするほど増えるでしょう。まあ米国大手VCでも一部上場株組み入れるファンドもあれば、SPAC専門屋になったソーシャル・キャピタルなどもある。
ともかく傍から言うは易しで、地上最大ファンドのマネージャーともなればなりふり構わずパフォーマンスを叩き出さねばならず、そのためにはロットがはけて、いま最もパフォーマンスが良いこのアセットクラスに手を出さざるを得ないのは当然と言えば当然ではある。まとまった金額のファンドを運用しようとすれば、アベイラビリティー(どれだけまとまった金額の投資ができるか?)は重要な視点になる。どんなに良い投資でも小さすぎては「事業」として成り立たない。その意味で上場株を視野に投資を拡大するのは今の局面ではむしろ当然のこと、といえるかも知れない。