JERA、2050年までにCO2排出を実質ゼロ-非効率石炭は停廃止へ
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これは大きい。JERAは2050年時点のCO2排出を実質ゼロにすると発表した。世界的な脱炭素化の流れを受け、非効率な石炭火力発電所を30年までに全て停廃止するなど温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みを加速する。国内外の新設計画はどうなるか、注文したい。現在行われているエネルギー基本計画の見直しに向けたシグナルか?
注目のコメント
欧米ではガンガン〇〇年までに実質排出ゼロとか100%再エネという風にコミットする大企業が増えてきましたが、気質もあるのか日本はこれまですることに躊躇があったと思います。
2050年については、プレスにある通り詳細は決まっていないものの、LNGについては世界のリーダーが今回「実質ゼロ」と言い切ったことに見せ方という点で意味があるでしょう。
また、これは単に一企業の排出量の話ではなく、アジアも含めた世界市場も巻き込んでLNGのメリットを生かすという観点からLNGビジネスという面の意味合いもあります。
今週行われているLNG産消会議でも触れられていましたが、政府としてもクリーンなLNG戦略が打ち出されていました「Make Clean LNG Cleaner」。
トランジションエネルギービジネスとグリーンを段階的に両輪化させる、日本版グリーンリカバリーとも言えるかもしれません。従来のコンサバなインフラ企業では作るのも困難だった目標設定だと思います。
骨子は;
1。石炭火力は超臨界以下の効率の悪いものを2040年までに全廃
2。火力全般のゼロエミッション化は2050年までにアンモニアと水素で混焼
2は100%専焼も考慮しているようだが、混焼ではLNG燃焼時のCO2リスクは依然として残ります。一応カーボンオフセットやCO2フリーLNG使用としていますが、そこは帳尻合わせ感が拭えない。
いずれにしてもロードマップの注欄に「政策等の前提条件を踏まえて段階的に詳細化」と書いているあたりがエネ庁(経産省)との蜜月がうかがえる野心的なプランであり、他の電力会社がどれだけ追従するかが興味深く、先ずは英断に拍手をしたいと思います。JERAのリリースは下記。
JERAの設備などをチェックしていないが、2030年までの非効率な石炭火力廃止という観点では、そこに向けての高効率火力(ガス中心だろう)を一定導入しないと厳しいだろう。
あとはアンモニア混焼・専焼という言葉も出ていて、ここらへんも見ていきたい。
CO2ゼロエミッションは、オフセットやCO2フリーLNG等活用ともあるが、どれくらい現実的なのだろう…
https://www.jera.co.jp/information/20201013_539