厚労省、「初診の電話診療」再禁止検討 コロナ下の特例、収束後に見直しへ
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「初診の電話診療」というのは確かに危険性が高いと思います。得られるはずの情報を少なくとも3割程度は失うことになります。肉眼的に得る情報と対面のコミュニケーションというのは、医療的決断にとってそれほど大きな意味を持つと考えます。
こちら米国でも、同じ遠隔診療の中でもいかに電話診療を減らし、モニターを使った診療の割合を増やせるかが議論されています。医師としての技量って、どこまで『五感』を駆使できるかで上がってくると思っています。
病歴で絞り、診察で絞り、検査で絞りこみ…
場合によっては『雰囲気』で、なんだか変だなと思ってさらに調べてみると、実は…なんていうことはザラです。
実際、こんな何かへんだなを調べた(第六感とでも言えるかもしれません)を検討した報告があります。
その研究では、3890人中0.5%が重篤な疾患で入院しました。
小児科医が
『なにか変だ』と感じなかった例では0.2%、
『なにか変だ』と感じた例の12%が入院を要したのです。
▷Bmj 2012; 345:e6144.
今日も、多くの患者さんと向かい合って、終わったときには(週末ということもあって)医局のソファに倒れ込みましたが、それくらい外来診療は五感を駆使しています。それでも百戦百勝できる自信は、わたしにはありません。
オンライン診療が海外などでは(たとえば中国などでは)、広く普及していることは知っています。でも、中国と日本を行き来している私の患者さんは、中国で受診されずに、日本で私の外来においでになります。
同じ処方を繰り返しているのなら、オンライン診療は考えていいかもしれません。
しかし、重症かどうかわからない日々の患者さんに対して、オンライン診療で果たして質が担保できるのか…
私のようなオールドタイプの医師は、ちょっと心配になります。