ボルグワーナー、デルファイの買収を完了世界有数の電動化技術企業が誕生
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ボルグワーナーは変速機大手で1940年代にオートマチックトランスミッション開発に取り組んでいます。
ボルグワーナーはインバータ、コンバータ、バッテリーマネジメントのパワーエレクトロニクス技術を持つデルファイ・テクノロジーズの買収により、EVの電動パワートレインを取り込むことになります。変速機はEVには要らないので、ボルグワーナーとしては出遅れを取り戻すためにも、喉から手が出るほど、電動パワートレインの技術を欲しかったに違いありません。
デルファイ・テクノロジーズは、EVが一般的に約400Vのシステム電圧に対し、800Vの高電圧のインバータの量産を2022年に開始すると発表しています。
システム電圧を400Vから800Vにすることにより、EVの充電時間を約半分できることになります。
例えばポルシェのタイカンは、急速充電で20分で400km走れるとのことです。(もちろん高出力の急速充電器で充電する必要があります)
なおタイカンのインバータは、日立オートモーティブのIGBTパワー半導体です。
デルファイ・テクノロジーズのインバータはSiCパワー半導体です。おそらくGMに供給するものと見られています。
SiCパワー半導体が、先ず大容量の蓄電池を積んでいるEV高級車から本格採用されて、市場に普及するのも間もなくです。
SiCパワー半導体が本命と見られていましたが、トヨタが途中でIGBTに変更したのは、コストがSiCは高いからというのと、400Vであれば、十分に対応できるし、信頼性も高いと判断したからでしょう。
因みに、800Vのシステム電圧であれば、270kW急速充電が可能になり、400Vでは150kWの急速充電が限界なので、800V化により、充電時間が半分になるということです。