世界貿易量 去年比9.2%減の見通し 新型コロナ影響 WTO

世界貿易量 去年比9.2%減の見通し 新型コロナ影響 WTO
WTO=世界貿易機関は新型コロナウイルスの影響でことしの世界の貿易量が去年に比べて9.2%減少するという見通しを公表しました。
WTOは6日、世界の貿易量について新たな予測を明らかにしました。

それによりますと、ことしのモノの貿易量は去年を9.2%下回るとしています。

このうち輸出をみますと、地域別の減少率は
▽北米が14.7%、
▽ヨーロッパが11.7%、
▽アジアが4.5%などとなっていて、アジア地域の打撃が比較的小さいと見込んでいます。

今回の予測には経済活動の再開が反映されているため、世界各地で感染拡大が深刻になったことし4月時点に比べると上方修正となります。

ただ、WTOは感染が再び拡大することで今後、経済活動の制限などが厳しくなれば落ち込みは一段と大きくなるおそれがあると指摘しています。

また、来年の世界の貿易量は7.2%の増加にとどまり、感染拡大前の水準には戻らないとの見通しを示しています。

記者会見で易小准事務局次長は「貿易量がどの程度回復していくかはかなりの不確実性が残っている。パンデミック後の世界経済で最大のリスクの1つは保護主義であり、国際協力が不可欠だ」と訴えました。