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近代建築3巨匠の一人であるミースの「Less is More」は、モダニズムを象徴するあまりに有名な言葉ですが、この文脈ですこしやわらかく翻訳すると「捨てる勇気と自信」だと思います。
分析に時間をかければかけるほど、かけた時間のサンクコストが発生して、色々と表現したくなる。その「頑張った分、見てほしい」という気持ちをぐっとこらえて、本質的なメッセージが伝わるように不要な要素を徹底的にそぎおとし、そして必要な部分を浮かび上がらせる。
データ分析やチャート作成は、テクニカルな部分は学んで練習すればどんどん上達していきますが、実はこの「捨てるう勇気と自信」が最後とても重要になる、ということを、過去の自分の経験もふまえてコメント
普段から、インフォグラフィックを通してわかりやすく伝えるときに考えていること、そして改めて先人の知恵を通して学んだことを、すべて詰め込んだ作品です。
是非ごらんください!
※本記事では、データ活用や分析の分野には踏み込んでおりません。そちらに関しては明日の記事にご期待くださいませ🙇♀️
仕事で使う文章・スライドで、「チャート自体にメッセージがついていること」は、個人的にはあまり好きではない。というのは、チャートは事実で、メッセージは解釈だから。過度に解釈を押し出す傾向になっていたり、メッセージが強調され過ぎてグラフの中身が何なのかというのが手落ちになる傾向がある。
文章・スライドは、見出しを付けられる。なので見出しにメッセージを入れて、グラフはグラフ自体の内容定義(業績推移、とか)、文章や箇条書きで見出しとグラフ(データ)をつなげているのが好き。
メッセージが文章全体としては重要なのはその通りだが、データを見るのはそのメッセージを紡ぎだす・検証するため。文章の一要素としてのチャートでメッセージを追求しすぎるリスクは業務面では意識したほうがいいと思う。
あとは、グラフの縦軸についても、あまりにメッセージを恣意的に出すために過度にひずめているのがあったりもする。そこらへんはグラフを作る側としてはもちろん、読み手としても注意しながら見たい点。
もっと知りたい方には、山口周氏の「外資系コンサルのスライド作成術」という本がオススメ。タイトル的に食わず嫌いしていたのだが、見てみたらかなり良かった。業務でチャート含めて色々な表現をされる方にはオススメ。
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1.伝えたいメッセージを決めてから作る
2.適切なグラフフォーマットを選ぶ
というのはとても大事。先日も社内でのグラフフォーマットの在り方を議論していた際に、円グラフはやめるべき、いや直観的に伝わりやすい時は使っても良いのでは、という議論をしていました
その上で、次のステップの注意点も書いておくと、メッセージにあわせて切り取り過ぎると却って恣意的に見えたり、読み手に不信感を与えることもあり、そのバランスも大事ということです
一つ目の例で、日本のESG投資の成長率を強調したグラフは象徴的で、「率自体」が本当に重要な局面って実はあまりなく、「伸びてるから取り組みましょう」と言っても、「率が高くても元が小さいだけでしょ」「成長の絶対額は小さいでしょ」という突っ込みで崩れるようなロジックの場合は却ってミスリーディングです。また、基準年が特殊要因で低かっただけかもしれないのでそうではないということも、あのグラフだけでは分かりません。このあたりは全体の中でのこのメッセージの重要度、相手の関心/理解度を想像しながら選択していくことも同時に重要になります
クリティカルなポイント、イシューを伝えるが一義の社内資料はグラフ機能でなく丸、棒など図で作る方が多いです。
保管データは見づらくともファクトを。
プレゼン用はそのデータそのままグラフにしない。
その原則を考えると、逆に自分が第三者的視点でみたときにわかりやすいか、誤解を招かないか、苦労せずに直感的に理解できるように伝えることができているか、を考えると良いです。ただ、初学者は自分に第三者的視点をさせるのが難しいので人からアドバイスをもらうのも手です。
この考え方、グラフだけでなくプレゼンにも適用してみると伝わり方が全く変わってくるのでお試しを。
理由は物事を直感的にとらえる方が多いからとのことです。
・「まずはメッセージから設定する」というのは基本動作だと思いますが、とりあえずビジュアルにしてみることで面白いインサイトが生まれたりと、「メッセージ化⇔ビジュアル化」の行ったり来たり(試行錯誤)が効果的な場合もある。
・コンサルタントなど、ビジュアル化のお作法に習熟しているはずの人が、あえてグラフの軸を調整したりして、言いたいメッセージに合わせに来ることがあるので注意。
・因果関係を示せれば望ましいが、かなり難しい場合が多く、相関関係を基に意思決定しなければならないことは多い。
色んなグラフの得手不得手を知ること、何を比較したグラフなのかを明確にすること、はいずれも大事ですね。
メッセージに関しては僕もkatoさんと近い意見です。
あまり恣意的な、というか結論を誘導するようなメッセージをグラフと一緒に書き込むのが適さない場面も少なからずありますので注意しています。マーケティングが絡むとそうも言っていられないこともあるので、そこはTPOというか説明のお相手次第ですね。
しかし、弊社だけかもしれませんが、若い研究者はだいたいこの辺を心得ていて、ほとんど説明の必要がありません。おかしなグラフを平気で描いちゃうのは案外ベテランのおじ様の方だったり。あんまりズケズケ指摘してヘソ曲げられても困るし、伝え方に苦労しています。社内で使うちょっとした書類程度なので放っといても実害はないんですけど、もしいい言い方があったら教えてください..特集じゃなくてもいいので....
ところで、視覚化の話からは逸れますが、縦軸の単位が%で、しかもそれが何らかの推移をするような場合、単位の呼称に注意が必要です。
口頭で「20パーセント減少しました」のように言う人がたまにいるのですが、それだと、そのパーセントというのが縦軸の値なのか、変化の割合なのか区別がつきません。つまり、元の値が" 90%"であるときに「20パーセント減った」と言ってしまうと、変化後の値が
90-20=70 ←値として20%減った
の場合と
90-(90×20%)=72 ←元の2割減った
の2通りに聞こえてしまう訳です。
こう言う時は、そもそも「変化率の減少率」みたいなややこしい言及の仕方をさけ、パーセントではなく、ポイントと表現するなどの工夫があると親切です。
90%→70%のときは「20ポイント減少しました」と言ってください。お願いします。(乱れ打ちされて混乱した経験あり...)
伝えたいメッセージが何かを決めることがまず大切ですよね。そうすれば、おのずと捨てる要素が決まってくるし、あるべきチャートは固まるし、伝えるメッセージもシンプルで誰もが理解できるようになります。
何を捨てていいかわからなくて、あれもこれも盛り込みたいという状態は、本人がまだデータからインプリケーションを何も読み取れていない段階で、何をメッセージとして伝えていいか迷子になっている状態です。