NEC、スイス企業を2380億円で買収
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NECは、生体認証技術や融資審査AIなどの提供も進めているが、銀行システム連携を進めていくという前提になると、基幹システムベンダーとの連携が必須になる。一方で、NECの他にもNTTデータやIBM、日立といった基幹システムを提供するベンダーたちは、なるべく自社または自社に近いところのサービス導入を狙い、基幹システムの保守など他の契約も含めて多方面での交渉を迫る形になりやすい。そうなると、ソフトウェアを持っている会社と連携してその中でオプション的に販売/導入を進めていくという方法が販路の拡大と導入ハードルの低減の両方に役に立つだろう。そしてこのような実績をもち、基幹システムのリプレースでの存在感を出すということにも繋がっていくだろう。
純利益でいうと赤字ではあるものの、売り上げは直近3年ではSaaSの事業特性もありしっかりと上昇し700億円程度。EBITDAは直近で80億円。Software界隈のM&Aではその金額規模が大きければ大きいほど、ValuationについてはEBITDAに対する掛け目が大きくなる傾向にあり、200m USDを超えるディールであればEBITDAの20倍にもなるというデータもあり、織り込んでいるシナジーの実現というところに今後注目ではあるものの、買収価額としては妥当である見方は十分にできるだろう。