この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
この記事の著者 / 編集者
この記事に関連するユーザー
関連する企業
自動車大手。ルノー、三菱自動車との連携により事業の効率化を図る。電動化推進を2030年までの長期ビジョンに据え、ラインナップ拡充に取り組む。運転支援技術やコネクテッドカーシステムにも投資。
業種
自動車
時価総額
2.39 兆円
業績
シェア
新規登録またはログインすると
チャートを見ることができます
新規登録する
ログインはこちら
Renault possesses a global alliance of automotive manufacturing, financing, and sales operations.
業種
自動車
業績
シェア
新規登録またはログインすると
チャートを見ることができます
新規登録する
ログインはこちら
この連載の記事一覧
【今村久美】カタリバが、あえて「全国に拠点を作らない」理由
171Picks
【今村久美】行政の手が届かない家庭は、子ども支援のDXで救う
118Picks
【今村久美】災害時に必要なのは「物資の支援」だけじゃない
83Picks
【今村久美】日本が失いかけた「大切なもの」は、被災地にあった
106Picks
【今村久美】学校と手を組み、教育の「ポジティブな代案」を
135Picks
【今村久美】絶望する若者に「学び合いの場」を提供したい
188Picks
【新】今の日本を分断しているのは「目に見えない格差」だ
489Picks
【木村光希】「お別れの質の追求」に終わりはない
54Picks
【木村光希】社員からの大反発を招いた「葬儀会社の組織化」
70Picks
【木村光希】もし、自分の余命が「半年」しかなかったら?
173Picks
自分で複雑なモノを作る事の楽しさを、
忘れられなかったからです。
しかし、一方で、次々と違う会社で設計や
製造のプロセスを見ていくと、その差に
驚きました。
飛行機では、リベット1本まで構造計算を
します。
しかし、自動車はやらない
でも飛行機は何年もかけて設計するのですが、
自動車は1年を切る。
当時の自動車業界のトレンドは、如何に早く
設計するか?でした。
そのトレンドは、現在は変わってきていると
おもいます。
消費財電気業界は、また全く違います。
会社のカラーも違います。
私のこの時期は、日本の一流の会社のプロセスを
体感した時期だと思います。
実はその中の一つに東芝もありました。
これは検索すればいくらでも出てくる公然の事実ですが、CAD/CAMや、CAEと呼ばれる設計やシミュレーションを担う「工業ソフト」があります。自動車や航空機、家電など工業品を設計し、動きを事前にシミュレーションする際に欠かせないものです。
この分野の王者がフランスのダッソーシステムズが手がける「CATIA」でした。
ユーザーの使い分けなど一概には言えないのですが、無理やりまとめると、トヨタとホンダは主にCATIAを採用しています。
さらに時系列を一切無視すれば、日産までもCATIAに乗り換えるとなると、グローバルプレゼンスを有する日系大手3社を掌握したCATIAが牛耳る世界になります。
これは、日本のものづくり史において見逃せないテーマでもあります。日本の自動車メーカーは、かつて自社で内製化した設計ソフトを使ってきましたが、駆逐されてきた歴史があります。
それは、いくら使い勝手は良くても、世界のスタンダードを獲得したソフトには駆逐される運命にあります。例えるなら、一太郎がいくら使い勝手が良くても、デファクトスタンダードのマイクロソフトのものに駆逐されるのと同様です。
そうして日本の工業ソフトを駆逐してきたのが「CATIA」ですが、有識者や実際の社員のヒアリングをまとめると、例えばホンダがCATIAを採用する過程で、ホンダの開発設計のノウハウがCATIAを開発するダッソー社に流れ、そのノウハウが世界に流出したという声もあります。
そうした中、日産はルノーとの提携と言いつつも、対等な関係ではなく、いわば支配下に置かれていた状況です。こうして、日系トップ3のものづくりの魂が、CATIAに吸い尽くされる(言い過ぎをご容赦ください)。そんな懸念があったかと思います。
そうした中、三国志における「魏」とも呼べるCATIA帝国の世界制覇計画に対し、今の「NX」というソフトが生死をかけた戦いに挑む。舞台は日産・ルノー、CATIA帝国に対するNX側のキーパーソンが島田太郎さんという構図です。
---
ドイツの総合テクノロジー企業シーメンスの要職に就き、将来を嘱望されていたにもかかわらず、経営再建の道半ばにある東芝に移籍した島田太郎氏。
最高デジタル責任者としてデジタルトランスフォーメーション(DX)の旗振り役を担うとともに、東芝デジタルソリューションズの社長に任命された。
「なぜか3年ごとに転機が訪れる」というそのキャリアの軌跡と、これからの全産業に共通の、デジタルで生まれる新しい儲け方に迫る。(全7回)
■第1回 東芝が再び輝く時代がやってくる
■第2回 3年集中して突き抜ける、私のキャリア
■第3回 日産ルノーを舞台とする「赤壁の戦い」に勝利
■第4回 褒めて乗せるアメリカ人、否定して不安がるドイツ人
■第5回 日本の経営者が決断できない理由
■第6回 長時間労働なんかしていたら、もう生き残れない
■第7回 モノを売って儲ける時代は終わった
"ここが僕のエンジニアとしてのキャリアの頂点でした"