この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
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2016年、社員数100人を突破したタイミングで起きた組織崩壊。今振り返っても本当に苦しい2年半でした。
多くの社員から経営陣、社長である僕が信頼されてないというのを常に感じ、毎月3、4人が退職していきました。決して、創業から僕の人格が変わった訳ではなく、急激に成長する組織をマネジメントする準備と力がなかった事が要因です。
この記事に書いてある以外にも組織崩壊を解決するために沢山の取り組みをやってきました。
いつも組織崩壊を克服した一番の要因は何ですか?質問されますが、何か一つというのはなく、色んな取り組みを諦めずにやり続けた事にあると思います。何か一つだけやれば良かった事はないです。
そして、沢山の社員が辞めていく中でも、歯を食いしばって残ると決めてくれた社員も多くいました。彼らは戦友ですし、組織崩壊を乗り越えて強くなり本当に成長しました。
この2年半の戦いを去年ブログに書き記しました。
https://note.com/naofumit/n/n028df2984256
この記事をキッカケにグッドパッチの事を知ってくれた人も多いと思います。失敗をオープンにする事は確かに怖い面もありましたが、組織崩壊は多くの組織で起こり得る事で、このブログを公開した後にもらった多くのメッセージは自分達も同じ経験をして来たのでとても勇気をもらったというメッセージでした。
振り返っても、とても辛い経験でもありましたが、やはり経営者としての自分を強くしてくれた掛け替えの無い経験でした。
経営陣に信頼がないことが原因だと宣言する姿勢は本当に尊敬、ここに真正面から向き合える経営者は少ない。朝から元気が出ました!
次はどんなハードシングスが・・・。
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スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスの普及以降、UI/UXデザインの重要性が高まっている。この領域にいち早く参入し、マーケットを牽引してきたのが、デザイン会社のGoodpatch(グッドパッチ)だ。
グノシーやマネーフォワードといったスタートアップから大手企業まで、数々のクライアントワークで事業戦略やUI/UXデザインを支援。自社プロダクト・サービスを開発・提供するデザインプラットフォーム事業も手掛け、ビジネスシーンにおけるデザインの価値や可能性を拡大し続けている。
「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、グッドパッチをデザイン会社初の上場企業に成長させた土屋尚史社長に、その軌跡と経営哲学を聞いた。(全7回)
■第1回 スマホ時代に高まるデザインの価値
■第2回 21歳で大病。死を覚悟して今を生きる
■第3回 DeNA南場さんの言葉でシリコンバレーへ
■第4回 家族との時間を犠牲にしない働き方
■第5回 離職率40%、組織崩壊の原因と改革
■第6回 強烈なプレッシャーが人を成長させる
■第7回 ビジネスとデザインの主従関係を逆転
下記はまさにそれだと思う。醜い現実を受け入れることは難しい。だけど、そこの根底を宣言しないで小手先の話をしてもターンアラウンドはできない。宣言してその後の行動があるから、だったら一度賭けてみようかという輪が広がると思っている。
醜い現実について、前任者の要因にするほうが現実論としてやりやすい。だからトップ交代という手段が用いられる。それを自分自身が受け止めてもう一回再チャレンジするのは、マイナスからのスタートで圧倒的に難しい。でもそれが成し遂げられると、その過程によって得られる財産も圧倒的なものだと思う。
『そこで僕がまずとった行動は、全社員100人に向けて「課題の本質は経営陣に信頼がないこと」だと宣言することでした。』
当社も直面しましたし、業績成長という意味で足踏みをした時期でもありました。以下のような点がポイントになると考えます。
・事業がいったん立ち上がった段階で、MVVの再整理をすることは大切
・営業部隊立ち上げには時間が掛かる
・営業ヨミ・実勢のモニタリングの仕組みを早期に整える
・営業目標設定の仕方次第で、業績のアクセラレートが起こる
・営業組織は、人の出(退職・異動)が激しい
・新規採用した営業メンバーを育成できる数に限りがある
・営業インセンティブは、高すぎる金額にしない
・なるべく管理者を兼任させない
・営業の現場マネジャーのメンタルフォローが重要
自分だったら抜けていく人たちに対して「あいつらは分かってない」と思ってしまいそうです。自身の事業で人一倍思いも強い中で、きちんと自責で考える姿勢が持てるかどうか。それがとても重要なのかと感じました。
また、社内事情を包み隠さず伝えること、ユニット毎に心理的安全性を優先課題と設定されたとのことも、「フラットで透明なコミュニケーション」の実現に努められていたことが伺えます。全ての会社でそうするべきとは思いませんが、特に新しい価値をつくり出す系の仕事でこそ、フラットなコミュニケーションによる多様な視点や発想は不可欠なのかとも感じました。