EU、英への法的措置開始 離脱協定骨抜き法案巡り
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チキンレースも最終盤に。これによって英国が「約束破り」の法案修正をしない限り、FTAを含む英EUの将来の関係をめぐる合意の可能性は極めて低くなりました。EUにとっては、交渉が決裂した場合に英国側に非があると強調する意図もあるとみられます。英EUが従来通りの関係を続ける移行期間は12月末で終わり。交渉のデッドラインは月末に迫る中、これまでになく不透明感が増しています。
EUとしては英国の蛮行を放置できないので、何らかのアクションを取らざるを得なかったわけです。しかしながら、英国を現段階で追い詰めても仕方がないので、その辺りの匙加減はきちんとしている印象です。
10月15日に開かれるEU首脳会議での合意はやはり難しいと見ています。とはいえそれで交渉が決裂するのではなく、そこから現状維持のためのやり取りが進むと見ています。
仮に10月半ばに合意しても、え、それで良いんだ?という、現状維持的な内容になるような気がします。もちろん、それが今までとは全く違う新しい内容だというレトリックを英国は使うはずですが。忘れてはならない前提は、英国がもうEU外の国だということだ。今は、離脱後の移行期間に過ぎない。そして、英国の「国内市場案」の問題が解決されなければ、通商分野を含めた将来の関係を巡る一切の協定は締結されない。