【基幹交通の先へ】なぜ今「超小型モビリティ」なのか【全4回】
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この本は、今から5年前、東京大学大学院新領域創生科学研究科社会文化環境学専攻の大野研究室から出版されました。大野先生の傍らで、当時大学院生だった佐藤さんと私が共著として参加させていただきました。
大野研究室では、縮小社会における都市計画理論、つまり人口や経済が縮小する中で、都市はいかにあるべきか?を先駆けて研究していたところでした。
都市とは切っても切り離せないのが交通。縮小社会における交通を考えたとき、見出した概念が「小さい交通」でした。人の移動の自由を高め、自活できる人を増やし、生活サービスを行き渡らせ、地域の経済圏をつくる。今までの都市計画の交通としては存在しなかった考え方です。書籍「小さい交通が都市を変える」から転載第1回。
地元はクルマ社会だったので買い物や通学にいつも送迎してもらったりと「ちょっと1人で出かける」のがものすごく不便でした。(駅までのバスが1時間に2本…)
高齢化の波も地方から受け始めるからこそ、広く普及することが求められそううですね。
(本文より)
日本の都市は〈小さい交通〉に関しては保守的で、その意義を認めず、いつまでも自動車にしがみついている。
しかし、世界の交通先進国は〈小さい交通〉にきちんとした都市交通としての役割を割り振り始めている。
本当は、世界で最初に超高齢社会を経験する日本こそ、〈小さい交通〉のパイオニアでなければならないのである。
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第2回:歩くより早く、バスよりきめ細かく
第3回:わざわざ「ゆっくり」移動したいときもある
第4回:「近くまで、ゆっくり、 ちょっと」を移動しやすく社会が交通に求めるものが、大きな交通から小さな交通へシフトしているというのは交通サービスを実際にやっていて感じる。
肝は、移動距離当たりの体験の質に応じたプライシングとマッチング。
普段は高くて乗らないタクシーにドシャ降りの夜は乗ったり、毎日は使わないけど疲れ切った日にはフードデリバリーを使ったり。
同じ1人の人でもタイミングで激しく変わるニーズにこれまでは対応しきれなかったが、デジタライゼーションの進展で柔軟に対応できるようになってきた。
技術がニーズに追いついてきたので、これから「小さな交通」がさらに便利に変わっていくはずです。