富士山が初冠雪 甲府地方気象台が発表 昨季より24日早い観測
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あれ? 前から富士山に雪が積もっているという話は聞いていたのに? と思ったら、頂上が見えていなかったんですね。このところぐずついた天気が続いていたから…。季節は移ろいゆきますね。
富士山の山頂に積雪すること自体は、9月21日にヘリコプターや富士吉田からは観測されていました。20日に秋雨前線が関東の南に下がり、涼しい空気と弱い雨をもたらしていた状況でしたが、富士山では積雪していました。
ところが、初冠雪の基準はあくまで甲府の気象台から富士山の積雪が目視できなければいけません(過去からこの基準で実施しているのが理由です)。その後台風12号の北上や低気圧の接近により富士山周辺では雲が広がりやすく、なかなか好天に恵まれませんでした。
28日になりようやく移動性高気圧に覆われて好天となり、ようやく初冠雪を記録するに至ったというのが真相です。
富士山の初冠雪の記録は1894年からとられており、最も早い記録は実は2008年の8月9日です。もっとも、この記録は富士山周辺で雹が降ったことにより雪が積もったように見えたことによるものとされていますが、過去のものを区別できない以上、これが最も早い記録ということになりました。
また最も遅い記録は2016年の10月26日です。そういう意味では9月下旬に観測されるのはおおむね平年並みということができます。
蛇足ながらもう一か月もすると、標高が3000mにぎりぎり満たない甲斐駒ヶ岳でも初冠雪のシーズンを迎えます。コロナ禍で登山がブームですが、そろそろ山は冬のモードになり、難易度が上がります。登山を考えておられる方はシーズンの終わりを意識して登山計画を立てるよう、お願いいたします。オフィスからも冠雪した富士山が見えました。
1000年前の日記である明月記に記載されている桜の満開時期を使って、気候変動を読み解く研究者がいるように、富士山の初冠雪データを用いた気候の予測とかが出る日も来るのかもしれませんね。