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【図解】日本の研究力が落ちた「本当の理由」

NewsPicks編集部
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    (株)ハピネスプラネット 代表取締役CEO (株)日立製作所 フェロー

    わかりやすいまとめですが、論文の仕組みに馴染みのない人のために、いくつか追加でコメントします(ちなみに私は論文の被引用数は2500件以上ありますので、それなりに論文の世界と関わってきた人間です)。
     まず論文になるような成果は実は大したことはない場合が多いということです。科学の歴史を見ればすぐにわかりますが、画期的な論文は投稿しても採録されないことの方が多いのです。
     というのも、論文はピアレビューという、その分野の仲間による評価によって採否が決まります。実は、画期的な結果は、分野を超えたり、分野の枠を越える場合が普通なので(だから画期的なわけです)、ピアレビューの査読者は適切な評価ができません。だから通常採録されません。採録されるのは、既に分野が出来ていて、その主流の人たちに仲間と認められるような、その分野でお行儀良く、すこしだけ、既存の内容に加えたものは通りやすいのです。すなわち、平凡で大した中身はないが、汗を掻いた論文が採択されるわけです。
     従って、論文数は、まさに、その既存の学問分野で、既存の人たちと仲良くしていて、その学問分野の常識を身につけた人かどうかを示しているものです。決して画期的な研究結果かどうかを表しているものではありません。引用数も同様です。もちろん、基礎学問の人材は、国の資産として一定数必要なので、その指標として論文数は意味があります。
     ただ、ここで日本が迷っているのは、社会や産業界が求めているのが、学会という閉じて狭い世界でうまく立ち回った人の数ではないということです。だから、単に論文の数は意味ないのではないかという議論になります。このような議論が、研究予算配分にも影響を与えていると思います。
     本当は、論文のテーマや内容の多様性を評価すべきと思います。既存分野をはみ出すテーマに果敢に挑戦する論文が評価されるようにならなければならないわけです。ピアレビューがそのようになっていないことを壊す必要があります。ピアレビューを通った論文が検証された価値のある論文であるかの如く扱っている論調がありますが、こういう勘違いを修正する必要があります。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    元の報告書を見ると、ここでいう「論文数」とは、自然科学分野の論文で、国際的に一定以上の水準にあると認められている学術誌に載った論文に限定した話のようです。
    https://www.nistep.go.jp/archives/44972
     特に自然科学の研究は,まず実験ありきなので、人海戦術的なところがあります。大学院生や研究員を多く確保する必要がありますが、タダで働いてもらうわけにはいかないので、当然、人件費を確保したうえでなければ、実験を始められません。
     実験で成果が出るかどうか、たとえば未知の免疫機能をもった細胞の発見とか、薬効成分のある植物の発見とか、新たな素材をつくることができる触媒の発見とか、等々は、膨大な数の実験を繰り返す中で発見されます。実験の手順を間違えたために画期的な発見がされるようなこともあります。つまり、研究の成果を出すためには、できるだけ多くのチームが、できるだけ多様な手法や分析対象について、実験とその結果の分析を繰り返すほど、新発見が出てくる可能性は高まります。
     できるだけ多くの多様な実験を繰り返している、という点では、中国は世界でトップになりました。人件費の勝利です。人件費といっても、実験の都度に日当を払うといったようなせせこましいことでは人材は確保できません。実験の成果が出ようが出まいが安定した給与があり、食住を格安で提供し、保険医療も充実、といった条件が提供されてこそ、優秀な若い人材が、日夜ひたすら実験を繰り返す業界に入ってきてくれます。
     研究に従事する人数の増加、つまり若い人材の業界入りは、日本では過去20年で横ばい、米国は若干の伸び、ドイツ、フランスあたりはかなり伸びていますが、何といっても伸びが著しいのは、中国です。日本、中国、韓国は、企業に属する研究者の割合が高いのですが、中国の場合は、大学で研究に従事する人数の増加も、2000年以降で見ると、世界でも断トツで著しいです。もちろん、中国政府がそれだけの人件費を投入したからです。実験に必要な機材への予算投入も大幅に増えましたが。人件費を増やさずに、優秀な従業員をどんどん増やしていく方法などありません。

    東大が中国勢より下位に…上海の研究者が見た、大学ランキング・日本「一人負け」の原因
    https://bunshun.jp/articles/-/40293?page=4


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    東京大学 大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 教授

    平均の数字だけを見ていると、見誤ることもあると思うのでこの記事にない視点を。あくまでも自分の身の回りで感じることだけで、ちゃんと検証はしていません。

    自分が若かった頃に比べるといわゆるトップ国際会議・論文誌に受かる数はむしろ増えている感触です。みんな優秀で、チャレンジも積極的にします。世界との距離は近くなっている。

    ただ、逆に世界が身近になってしまったことでわざわざ海外に憧れ進学やインターンに行く人は少なくなっているような気がします。これは残念。私自身は海外に何度か行き、そこで多くの仲間を得る機会を与えていただきました。いまはそれが大きな財産になっています。やはり、同じ釜の飯を食う、ではないですが一緒に過ごさないと仲良くなれないです。

    規模や大きな大学や予算のほうが効率が悪くなるのはある意味当然です。とんがった研究のためだけでなく、その中で教育や人材育成も行うわけですから。本記事をみて「予算を絞ったほうが研究成果がでる!」と思ったら方向性を見誤ることになるかもしれません。

    予算も増やしてほしいと思いますが、まずは若手のポストを増やしてください。いまはテニュア制度を取る大学も増えてきて、一見若手のチャンスが増えているように見えなくもないですが、学生の絶対数が減っていることにより、ポストの数は減っています。


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