三井物産、排ガスからエコ燃料 中国で10工場
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注目のコメント
みかけ上うまくいくけれど、実際にはダメなやつですね。
「排ガス」といっているのがミソで、実際には製鉄所や製油所から出る副生水素をCO2とあわせてエタノールに変換するものです。つまり副生水素の使い道の問題。
これまで副生水素は約半分は自家消費燃料として、あるいは化学合成材料として使われて来ました。
それをわざわざコストをかけて液体燃料であるエタノール変換して得られるメリットは、水素は運搬が大変なのと外部マーケットがほぼないというデメリットをエタノールならば補えるかも知れないことと、普段排出しているCO2をエタノールとして再活用できる(ようにみえる)ことです。
製鉄所や製油所は需要地から離れている事が多いので、確かに運搬のメリットはエタノールにありそうですが、エタノールは今米国で有り余っていて中国にガンガン輸出しているので、普通に考えるとコストで勝てないような気がします。
また、わずかに流通している水素燃料の殆どが天然ガスから改質されて生産されている事を考えると、副生水素を付加価値の低い燃料として外部にわざわざ運搬して売るよりも、自家消費した方がペイするということを示しています。
また、これまでの水素自家消費分を別のものでまかなわないといけません。それが例えば重油焚きだとブラスマイナスで必ずプラスになります。というかエタノールも結局燃やすのでマイナスには絶対なりませんが。
こうしたプロジェクトは、全体のプロセスのどこかごく一部だけ目をつぶれば成立している様にみえるので、殆どの人は騙せます。私の様に背景がわかる人は世の中ではごく一部です。色々と都合のよい仮定(実は同時に成立しないことが多い)をおいて説明するので、ロジック上詐欺にはなりません。あるいは省にエタノール消費目標があるのかも。
投資家、株主、政府、NGO、世間一般などにみてもらう夢の代金と考えるのが良いと思います。まあ映画のようなエンタメの一種ですね。クソみたいなオフィスワークしているよりはマシなのかも知れません。CGより実写主義のクリストファー・ノーランみたいな。
これからの時代は文化的価値の時代。バフェット氏が商社株を買った理由が分かる気がします。
【要約】
三井物産は中国で製鉄所の排ガスからエタノールをつくる事業に乗り出す。まずは自動車燃料向け。
中国政府は、CO2の排出量が比較的少ないエタノールをガソリンに10%混ぜるよう奨励しているが、世界のエタノール消費量1億トンのうち、中国は7%にとどまり市場の伸びしろが大きい。
また、エタノールはトウモロコシやサトウキビから生産するが、生産量に限りがあること・新プラントを建設する貴州省はトウモロコシ畑がなく、これまでエタノール製造業者もいない為、需要が期待できると判断した。
三井物産は、出資先の燃料開発企業、米ランザテック(イリノイ州)のバイオ技術を活用する。
新プラントは排ガスの熱を発電などで再利用する場合に比べて、CO2を年20万トン削減できる。こうした環境配慮型のエネルギー事業によりESG投資を呼び込みたい思惑もある。