「日銀化」が明らかとなってきたECBの金融政策
東洋経済オンライン
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6年前、「欧州リスク 日本化・円化・日銀化」という拙著を上梓させて頂きました。その中では「このままいけばユーロ圏の経常収支は恒常的に黒字となり(当時はまだ赤字~均衡でした)、ECBはファンダメンタルズに沿った通貨高に頭を抱えることになるだろう」という予想を行いました。
現状、コロナ関連を含む政治的要因でユーロは押されていますが、9月に入ってからあれほど露骨にラガルドがけん制してもユーロ高は消えませんでした。明らかにECBとユーロを巡る市場環境はこの10年で変わろうとしていると思います。為替に隷属する金融政策は日本に酷似していると感じます。前期比成長率ではなく、為替レートのパススルーの弾力性なのに、4半期だから4分の1の効果として試算しているのは大きな間違い。
ECBが為替レートに注目しているのは、為替レートの変化はコアインフレとは別という認識のためであり、為替レートを政策目標としているわけではない可能性が強い。政策目標はあくまでコアインフレであり、コアインフレの推計では為替レートという品目がないので、その影響を除去するのは難しい。
ECBの日銀化というよりヨーロッパ経済の日本経済化なのだろうが、中央銀行がゼロ金利で手詰まりになる理由はインフレ率の低下であろう。
日本は金融政策に関してこれまでも、為替レートと結び付けて騒ぎ過ぎるきらいがある。ECBの日銀化、FRBの日銀化というヘッドラインをたまに見かけますが、金融政策自体の方向性のバリエーションは多くないので(ざっくり2方向です)、見かけるたびにこのレトリックの意図はなんなんだろうと思ってしまいます。