欧州中銀が環境債を買い入れ 量的緩和政策、総裁意向反映か
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ラガルド総裁は中銀も環境対策にコミットすべきであるという意向を就任直後から示していました。
他方で、金融政策の担い手たる中銀がなし得る環境対策へのコミットメントは、技術的に判断して、環境債、グリーンボンドなどの優先購入による間接的な支援までだろうというのが、私を含めた大方のウォッチャーの見方だったと思います。
↓拙稿です。
https://diamond.jp/articles/-/228275
金融市場ではパンデミック対応が山場を超えたため、環境債を買えるまでになったとも言えそうです。
他方で、環境対策であれば、中銀による選択的信用割合が許されるのかという、倫理的な問題は残っています。
中銀や政府がかなり無理をして、今の平穏があります。経済を回すことに今でも否定的ないしは皮肉的な論調があることには、正直言って目を疑うとともに、かなり特殊な意図を感じます。これを戦略見直し前にやるというのは意外感があります。確かにラガルドにはそういう「色」がありますが、この非常時にやるのはやや酔狂だなとも思います。
そもそも私はこの手の政策には同意できません。量的緩和の一環としてグリーンボンドを購入する、ということは「QEをやるような局面では環境保護に貢献する」ということである一方、正常な局面では「環境保護に貢献する必要はない」という話になりかねません。それで良いのでしょうか。
もっと言えば、この先には環境貢献度に応じた社債の掛け目優遇みたいな話も出てくるでしょう。中銀がそこまで正確には評価できるのでしょうか。大体、本分である物価も制御できないのに気候なら制御できると思う姿勢が傲慢にも感じます。やることやってからやれば良いじゃないか、という雰囲気がします。企業がESGへ動く強いインセンティブになっていくと思います。株環境に配慮したESGスコアの高い銘柄を集めたETF購入を進めるなんて日本銀行が動き出したりして。