米は「孤立」に直面とイラン 制裁復活宣言で
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「イラン核合意」というのは、2015年のイランと米中ロ英仏独の6カ国の間の合意ですが、国連においては、安全保障理事会2231号決議、として公式化されています。この決議に従って、制限以上の核開発を行わなければ、イランは貿易ができる(ドルによる決済ができる)という内容です。
米国政府は、イランは制限以上の核開発をしているので、イランは貿易をできないようにするべき、という主張です。イランは、そのような核開発はしていない、といっています。米国政府は、イランによる核開発の十分な証拠を示しているわけではありません。
もっとも、米国は2018年に一方的に核合意から離脱していて、イランに経済制裁を課し、イランがドルによる貿易決済もできないようにしているので、現状から変わることはあまりありません。
穏やかでないのは、トランプ大統領が、イランは核開発を続けていて、今年中には核兵器を完成させる、と主張していることです。英国、フランス、ドイツを中心に、イランとのドル以外、SWIFT以外の貿易を促進するためにINSTEXという特別事業体を設立させたのが2019年1月。今年の3月には医療支援物資に関して初の貿易取引を成功させた。しかし、米国がイラン制裁を完全復活させるということは、このINSTEXも難しくなるだろう。米国の制裁は、イラン取引に関与した関係者にも厳しく及ぶからだ。イランは、こうしたことも見通して、IAEAの査察を8月末に受け入れて、国際社会のルールに則っている姿勢を見せている。そうしたIAEAの査察の報告書も出ていないなかでの米国のスタンドプレーにより、当然、米国と欧州の関係もまた悪くなる。トランプ大統領は、イスラエルの国際プレゼンスを高め、過去四半世紀で最も中東の力学を変化させている。これは凄い事である。しかし、中東和平に寄与しているかといえば、力学は変えてはいるが、平和を実現しているとは思えない。
UAEとイスラエルの国交樹立の仲介役として和平への貢献をアピールする一方で、やはり他国に喧嘩を売っていくスタイルでなければ"強いアメリカ"を国内世論に印象付けられないということでしょう。
イランとしてはやましいことがないなら当然の発言ですが、中東地域における"同盟"などあってないようなものなので、"孤立"がブーメランにならなければ良いのですが。