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出来る事は幸せで有る。
737maxは、本来新造機として計画されて
いた。
737は50年近く前に初飛行をしており、
機体は、恐ろしく古く、そしてその
バリエーションは想像を絶する複雑化
している。
私がボーイングにいた時にも、機体の
コンフィギュレーションをチェックする
だけで数百人が仕事をしていた。
新造機が出来なくなった。737は
同様に新造機が出来なかったが、
エンジン換装で、燃費を大幅に向上して
成功した、エアバスA320neoに
対抗する為に、737maxを計画。
しかし燃費の良いエンジンの直径が
大きくなる為に、エンジンの位置を
上方に移す。
結果、迎角アルファが大きい時に、
ピッチアップ、即ち余計に迎角が大きくなる
機体特性が出てしまった。
これは、飛行特性としては、静安定が
不安定となり、デザインとしては
最悪な方法で有る。
良いデザインは、常に機体が真っ直ぐに
戻る復原力がある事が大切なのである。
この特性を取り消す為に、登場したのが、
MCASで有る。即ち尾翼を自動調整して
制御で、仮想的な静安定を得ようとした
わけで有る。
最悪なデザインとは言ったが、実は
戦闘機では、この様な事は日常茶飯事で
行われている。
戦闘機の場合は、ステルス性能や、
旋回性能など、まっすぐ飛ぶよりも
大切な事も有るからである。
その為に、戦闘機の自動制御は
完璧なまでの芸術品で有る。
しかし、報道によると、このmcasは、
一つのセンサーからのデータで
制御される様に設計されていた。
恐らくコスト削減だと思うし、
Mcasが必要になるケースは限定的と
考えたのだと思う。
これが致命傷になる。
何故これをFAAが承認したのか、
私も分からない。
そしてそれがこの、議会からの
単純な一つの間違いでは無いと言う
指摘なのだと思う。
長年にわたる先人の努力で積み重ねた
安全性の信頼を損ねた事は、大変重いし、
一エンジニアとしてとても悲しい。
こんな事、ボーイングのエンジニア
だったらみんな知っているはずだ。
いつの時代も、正しい事を行うのは
難しい。
そして、改造機ゆえに起こった事だとも思う。
https://transportation.house.gov/imo/media/doc/2020.09.15%20FINAL%20737%20MAX%20Report%20for%20Public%20Release.pdf
1) Production Pressures.
2) Faulty Design and Performance Assumptions.
3) Culture of Concealment.
4) Conflicted Representation.
5) Boeing’s Influence Over the FAA’s Oversight Structure.
737MAXは7月にFAAによる飛行試験を終えたとの報道もある.各国対応はそれぞれ異なり,欧州はコロナ禍で飛行試験が遅れ,カナダは依然として慎重姿勢,中国は沈黙.飛行再開は来年にずれ込むか.
気にせずに乗り込む乗客は、いるのだろうか?
このような人災がもう起きませんよう
そんなデザインそのものがもはや通らないのではないですかね。
> 「ボーイングはMAXの設計と開発に失敗し、FAAはボーイングの監督と旅客機の認証で失敗を犯した」
いつか再現VTRとかやりそう。