気象学最後の謎が、巨大なビジネスチャンスに。超高精度に風を測る京大発テックベンチャーの躍進
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注目のコメント
気候変動もそうですが、これだけ生活に影響を与えるって気象って、まだまだ未知なること(中にはビジネスチャンスも?)がたくさんあるんですね。
メトロウェザー代表の東さんにじっくりとお話伺いました。研究者出身のせいかビジネス畑とちょっと違う温和な雰囲気で、なのに芯があるお話ぶりがとても印象的でした。この後の記事に出てくる、古本さん(センセ)とのご関係もなんだか素敵です。
NTT Comの平川さんも、自由にお仕事されていて素敵でした。
ぜひ、世界に羽ばたいてほしいです。ポスドク経験がある人なら、この辺りの機微は痛いほどよく分かると思う。
>引用
『じつは研究者としてこのままやっていくことに疑問を感じていました。昔は40歳くらいまでにみんな助教になって、自分の研究室を持つというキャリアプランがありましたが、今はそんなことありません。ポスドクという立場だと、2、3年の任期なのでその間に成果を出せないと終わり。容赦なく切られます。若手研究者が集まると、もっぱら「次どうする?」という話ばかりです。』
『僕、民間の気象会社で契約社員として働いていたことがあるんです。2009年に古本の研究室に入ったものの、2年では風をレーダーで捉えられなかった。論文という成果もないので、呼び出されて「このままだと残られへん。どうする?」と進退を迫られたんです。そこで、とりあえず気象会社で働くけれど、非常勤として籍は残してほしいと頼みました。研究者の道は諦めたくなかったので……。』とても面白い記事でした。
個人的に思うことですが、アカデミアの研究者は結構「無いから作る」精神が普通にあると思っています。
僕の先輩も知り合いの先生も、「計測する機器がなかったから作った」と言い、物理が専門であるにも関わらず、完全にエンジニアのようなことをしている様子を多々目にしてきました。
また、意外な盲点として、現代基礎科学の基本的なプロセスは、この手のエンジニアリングやデータサイエンスが介在し、この点に注力する時期が結構存在することにあると思っています。
そして、その過程によって、研究者がビジネスパーソンに対して技術力や実務能力でも勝るとも劣らない資質を養っていると思っています。このことは、研究の産物が応用可能かどうかという次元から、研究者自身が、ビジネスパーソンやテクノクラート、そしてアントレプレナーとしても活躍出来るか、という次元が存在していることを意味しています。
(そして、Googleや名だたるテック企業は、物理学者や数学者、神経科学者のこの点に注目している訳です)
おまけに、その動機は「無いから作る」です。最強だと思いませんか?
アントレプレナーがしきりにゼロイチを述べる中で、サイエンスにあってはゼロイチなくしてサイエンティスト足れないと思っています。脳内での昼夜行われる仮説生成まで含めたら、主観的にはゼロイチだらけです。そのくらいのバードプロブレムに日夜取り組んでいるんです。
時に、サイエンティストが実務面で劣っているように見えるのは、それが「面白くないからやる気が湧かない」為だと思います。他意があるわけでは無いにせよ、実社会の要請に反し、イージー過ぎて取り組む気になれないというのが本音だと思います。
サイエンティストには、本当に面白いことが出来る人達が沢山います。このようなご活躍をされている日本のサイエンティストのことは、やっぱり応援したくなります。