10号、乾燥空気などで弱まる 気象庁が検証結果明らかに
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台風は熱帯の熱の塊のようなものですが、それが温帯にある上空の気圧の谷(≒寒気)を見つけると、有り余る熱の良い排出先と認識してそちらのほうへ進みます。また、こうした上空の気圧の谷の周辺にはジェット気流が流れていることが多く、結果として台風は上空の気圧の谷に近づきながらジェット気流に流され速度を上げて、その熱を渡しつつ温帯低気圧化します。
今回台風9号が先行して朝鮮半島に上陸しており、これが温帯低気圧化するときに中国大陸東部に比較的シャープな気圧の谷を作りました。これがちょうど10号の北上のタイミングと重なり、上空にあった乾燥した空気が台風に取り込まれる形になりました。そしてさらに台風はこの気圧の谷に取り込まれつつジェット気流に流されて思ったよりも早く北を抜けることとなったのです。
乾燥空気の影響で台風自体も多少弱まり、かつ移動速度も上がったために雨量も思ったほどではなく、結果的に特別警報級といった割にはそれほどでもないところに落ち着いた印象です。
数値予報モデルによる台風の強度予報は、まだまだ不安定で実際よりも過大だったり過少だったりします。あまり信用しすぎず、常に最新の情報を入手するように心がけてください。