ピーチ機が緊急着陸…マスク拒否男性乗客の大きすぎる代償
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どういう経緯で騒動になったのかわからなかったのでコメントを控えていましたが、結論としては「出発に差し支えるような問題がある乗客を機内に乗せてはいけない」ということになるでしょう。ユナイテッド機における乗客の引きずり下ろしが問題になったことがありました（こちらは航空会社が別空港に乗務員を送り込む過程での不手際も大いにありました）が、今回についてもなぜ釧路空港でチェックインさせてしまったのか、なぜ保安検査場を通過してきてしまったのか、なぜそのまま搭乗ゲートから機内に入れてしまったのか、航空会社側の落ち度ととられても仕方ないことはあるように思います。釧路空港の出発時に機内で押し問答している動画が出回っていましたが、確かにこの段階では大声を出している様子はありませんでしたし、背格好も善良そうな男性で、威力業務妨害に発展しかねない人とは見受けられませんでした。性善説で「なんかごちゃごちゃと御託を並べてるけど、まあ機内では大人しくマスクするだろう」というような安易な対応は、航空会社としてはまずいということを肝に銘じるべきかと思いました。
あとは当該男性の言い分として「義務ではなくお願いされただけだから、それを実行に移さなくても出発に差し支えはないはず」というものがありました。たしかに日本の航空会社をざっと調べた中では、ピーチは言い方が多少弱く、マスクをしていないと搭乗拒否になる場合があるとは書いてありませんでした。屁理屈なようですが、たしかにピーチはもう少し強い言い方に変えたほうが良いかもしれません。マスクがつけられない事情がある方は、事前に航空会社にご相談いただければ、周囲が空いている座席にご案内するなど柔軟に対応していますので、お申し付け頂ければと思います。
また、航空会社によって対応に差があるのが、マスクではなくフェイスシールドやマウスシールドで来られたお客様への対応です。一部の会社ではマスクでないとダメとしていますが、ここを議論のポイントにされると航空会社としては悩んでしまいます。ちなみにICAOで定めた国際基準では、機内ではソーシャルディスタンスが保てない場合にPPE(個人用防護具)を着けなさいと定めているだけで、マスクに限定された書き方になっていません。このあたりは今後業界団体である程度統一した基準が必要かと考えています。≪マスクを拒否しただけで、ネット上で顔をさらされ、罪に問われ、とんでもない代償を払うことになりそうだ。≫
とありますが、マスクを拒否しただけで罪に問われるはずがないし、損害賠償を負わされることもないはずです。
この男がダメだったのは以下の部分でしょう。
≪離陸後も男性は他の乗客と口論となり、乗務員に対しても「非科学的だ」「要請するなら文書を出せ」と恫喝し、ワーワー騒ぎ続けた≫このニュースで、コロナ防止におけるマスクの必要性について持論を展開する方がいますが、論点がずれています。
今回のケースは、機内の秩序を乱すために他の乗客に迷惑をかける人を降ろしたという話です。
特にLCCのような狭い機内だと、そのせいで不安になる乗客は多いです。
仮に一人の乗客のわがままに目をつぶったせいでクラスタ発生なんてことになったら、それこそ誰も利用しなくなります。
英断だと思います。
