森氏「首相の本命は岸田氏」 総裁選情勢で
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森元首相といえば2005年の郵政解散の時に、解散を阻止する為小泉首相の元に赴くも、説得に失敗。
TVカメラを前に長年の付き合いである自分が説得に行ったのに「こんな、缶ビールと干からびたチーズしか出さないんだ。硬くて食えやしない。(首相は説得に応じず)殺されてもいいから解散すると言っていた」と漏らし、この一語が小泉首相は本気だということで全国報道されたことが自民党圧勝に繋がったとされる逸話が有名ですが、実際には小泉首相と打ち合わせた上での演技だったとされています。
政治家なんてこんなものですから、言葉を額面通り受け止めるというのは野暮なもの。
次期菅政権を前提とした水面下で行われている派閥間ポスト調整に対して、岸田派に次の首相の芽を残すことを示唆し、懐柔するためのメッセージといったところでしょうか。安倍首相が菅さんを推していた報道が数日前に流れていたので、これでどちらが本当か真偽が問われる。とはいえ、これは一石を投じることになる。
菅さんを推す理由の多くは安倍政権の継承。ところがこの発言が真実なら、ある意味官房長官によるクーデターとも取れる。
実態のところとしては、森さんに入っている情報が古いから、という辺りではなかろうか。
ただ、郵政解散で見事悪役を演じて小泉さんに貢献した「干からびたチーズ」発言を思い出しても分かるように、演じることもできるこの森さんはそのことも理解した上で、真の狙いがあると考えられる。それは、菅さんにフリーハンドを与える森さんの配慮と考えられる。
かつて森さんは小渕さんが倒れたときにピンチヒッターで入ったが、組んだ当初は小渕内閣の継承を余儀なくされた関係で、身動きは取れなかった。そしてそのことが最後まで尾を引いた。
今回、本来はその可能性がある。この発言によって、菅さんは継承資格はあっても単に従順に継承した訳ではないことになり、内閣改造の可能性が出てくる。
また、これにより、待機組の不満をそらせることも出来る。内閣改造はありになるから。
さらに言えば、今回岸田さんは恐らく負けるが、今回岸田さんが負けると岸田さんに次はないと多くの人が考えていた筈である。ところが、この発言は岸田さんへの配慮ともなり、菅さんの政権が支持を失ったときに、岸田さんが復活できる可能性を残すことになる。菅さんのクーデターなら、正統性を争い直すことは1年後等でも出来るので。
結構考えられた、「干からびたチーズ」に勝るとも劣らない森さんの演技、と考えていいだろう。