【濡木理】ノーベル賞学者だって、起業している
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大学院時代、濡木研究室と共同研究をさせて頂いていましたが、本記事で述べられていたように「基礎の基礎は、応用」という言葉を学生ながらも感じました。
理系学生の多くは、新規素材・製品の研究開発や創薬等、華々しい所に目を向けがちですが(私の学生時代初期も含めて)、研究をするにつれて、これらは全て基礎知識が無ければ生まれない”、”基礎研究がモノづくりの根本を支えている”と考えるようになりました。
ふと考えてみると”基礎の上に応用が成り立つこと”は、全てのことにおいて成り立つなと思いました。例えば縄跳びでも、前跳びができなければ、その先の二重跳びなんて出来るはずがないですよね。私は、基礎があって初めて、その先に挑戦する権利が与えられるのだと考えています。
分かりやすい好一点にいきなり意識を向けるのではなく、目の前のことに愚直に取り組み、一歩ずつ進んでいこうと思えたのは、大学・大学院時代の大きな学びの1つです。
注目のコメント
クリスパーという革新的なゲノム編集。その最先端の研究は、アメリカを筆頭に、中国でも盛り上がっていますが、日本はあまり存在感がないと言われます。しかし、その数少ない例外が、世界のスター研究者と肩を並べている、東京大学の濡木教授のラボです。
実は先月にIPOしたモダリスは、この濡木教授の研究をベースにして生まれた、ゲノム編集ベンチャーなのです。日本のほこる構造生物学のトップサイエンティストが、どのように時価総額900億円のスタートアップを作ることになったのか、そのインタビューをお届けします。
目論見書によれば、濡木教授はモダリスの株式の17%を所有しており、自家ベースでは150億円ほどの資産を築いたことになります。アカデミーの世界での活躍が、スタートアップとして、ビジネスとして大きなリターンにつながるという、ロールモデルとしても非常に面白い話でした。
取材に同席しました。科学を楽しみながら極める濡木教授の研究姿勢が、言葉の端々から伝わってきました。
特に興味深かったのが、生命科学界のスター研究者の一人、ブロード研のファン・ジャン教授との共同研究の話です。以前、来日したジャン教授にインタビューした際、「日本で気になる研究者は?」と尋ねたら濡木教授の名前を真っ先に挙げていたのを思い出し、きっかけや役割分担について伺いました。
ゲノム編集技術の改良で、構造解析がどんな役割を果たしているのかも解説していただき、とても贅沢な時間でした。母校のカリフォルニア大学サンディエゴ校でも多くのバイオテック領域の教授が起業しており、バイオテックのインタビューでどんなCEOが出てくるのかと思ったらシニアな教授が出てくる事も多々ありました。彼らは大学とのコネクションや地元企業とのコネクションを持っているので、大学発ベンチャーでもある程度の段階まで成長でき、逆にサンディエゴではシード/アーリーVCの存在感がバイオテック領域では特に強くないといった状況もあります。
モダリスのケースが、アカデミアとスタートアップとの垣根が下がり、関係者間のやり取りが盛んになるモデルになるとよいですね。