【山口周】効率から逃れよ! 余剰の文化が社会を変える。
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注目のコメント
配信と記事でかなり違った印象。構成上のカットや手を加えるのは良いが、肝のニュアンスが話者の意図と変わってしまっているのは問題。
例えば、山口さんはBI自体に対して慎重に話されているが、本文ではBIに賛同しているかの様になっている。そして、BIで余裕ができるとなんらかの創作、クリエーション、あるいはイノベーション(技術の発明)の活動が生まれると話されているが、本文ではイノベーションのみに。
特に問題だなと思ったのが、
>トライする回数が増えればお金になる確率は上がるので、トータルとしてのアウトカムは必ず増えると僕は思っています。
の部分で、配信では、山口さんは大数の法則でトータルのアウトカムは増えると言っているが、確率が上がるとは言ってない。また、その様な物語を持っているとは言っているが、ここまで断言してない(24分頃)。これは大きな違い。
(大数の法則は試行回数が増えれば平均値が収束するというもの。クリエーション等は可積分な確率変数ではないので、大数の法則はそもそも適用できないし、そこに本質がある)
総論として、もっと好きなことをやろう、文化的価値がもっと重要、ということには大賛成。
しかし、その為にこそ余裕が必要で、その余裕をもたらしてくれているのがまさに効率。石油採掘効率が落ちて人の搾取に戻っているから余裕のない人が増えている。
社会に余裕があるのは効率的な生産基盤あってこそ。それらは現在全く自動化されていないし、できたとしてもその所有権を争う闘争が待ち受けていて、社会秩序は不安定に晒される。
誰もが悠々自適を願っている。34分に山口さんが「申し訳ない」と仰っている様に、それができているのは運が良いごく限られた方々のみ。100万円所得アップどころか、100万円を維持することさえままならない人が多くいる。余裕を楽しむには余裕を生み出さねば。
そして、アートもいいが、殆どの人はソシャゲ課金で終わる。それが文化。
通勤時間が減って時間が増えたと喜んでいる場合ではなく、通勤という名目で稼ぐ手段を失った人々は、ますます分配から漏れてしまう。資本市場の成長だけがある世界。ただやりたいことをやるというのでは、殆どの人は路頭に彷徨う。
左の方が、「山口さんの本が売れている」というワードを2回(26分20秒、47分00秒)仰ったのがズレ過ぎてて虚しいです。まだまだ勉強中なので間違っていたら申し訳ないのですが、様々な場面でベーシックインカムについてお聞きする時、それは最終的に自分たちのしたい活動を円滑に行いそこでお金を生むための投資的なもののように聞こえます。わたしははじめベーシックインカムの意図を理解出来ていませんでしたが、今はそのように認識しています。
しかしこれを取り違えてしまうと、お金を生むという行為を重視しない人が増えるのではと恐れています。そうするとベーシックインカムの制度も維持できません。
なぜこれからの世でお金を生むためにベーシックインカムが重要なのかについて、認識が広がるといいなと思っています。