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【塩野誠】国家がプラットフォーマーに嫉妬する日#4/6

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  • 名古屋外国語大学 教授 世界共生学科長

    「国家がプラットフォームに嫉妬する日」という4章のタイトルは、なかなか示唆的だ。新型コロナだけでなく、金融危機や環境問題、テロに至るまで、世界が直面するアジェンダは、一つの国家では対応できないもので溢れている。現代において国家の役割が後退しつつある中、デジタル世界では、GAFAを筆頭にデジタルプラットフォーマーがグローバル世界への影響力を強めている。塩野氏は欧州委員会が、検索でのグーグルの独占的パワーに制裁を課したことや、デジタル課税の問題など、国家とプラットフォームの綱引きを丁寧に分析、その実像が描き出している。スコット・ギャロウェイは「the four GAFA~四騎士が創り変えた世界~」(東洋経済新報社)で、GAFAの独占的な地位が、競争環境を歪め、イノベーションの生成を阻んでいる、と警鐘を鳴らしている。あまりにも巨大になったGAFAは、産業の新陳代謝と国際秩序の双方に脅威を与えつつあると言えよう。塩野氏が指摘するように、国家を凌駕する力を持ったプラットフォーマーが、どのように公共性を担えるのかが、極めて重要な問いとなる。


注目のコメント

  • Coinbase株式会社 代表取締役

     本章では、デジタル・テクノロジーの進化と共に政府を凌駕しかねない勢いで成長したプラットフォーマーについて、その可能性と課題を論じている。いわゆるサービスには必ずといって良いほど対価があるはずであるが、特に個人の情報が対象となっている場合に、私たちユーザーがその対価関係に気づいていないことが多い。デジタル・テクノロジーによって、民放局のテレビCMモデルとは全く異なる様々な形で、プラットフォーマーが私たちの情報を活用する可能性があること、またそれによってさらに強固な地位を築くという構図を、著者はあえてGAFAの例を用いて説いている。
     私もサンフランシスコのテック系企業で働いているが、成功にはミッション・ドリブンな会社であることが不可欠であり、原則として、そのミッションが持つ社会的正義こそに優秀な人材や潤沢な資金を集める熱量の根源があると考えている。Googleの旧モットーである”Don’t be evil”に代表されるような、プラットフォームの担い手として負っている社会的責任を表記する会社も少なくない。一方で、才能も資本もそれだけに左右されないのも事実である。当然営利企業として経済的成功を収めることは至上命題であるし、優秀な人材は2年ほどでエクイティ(SO、RSU等)のべスティングを終えたら次の会社に移り、働きながらポートフォリオを構築することもトレンドとなっている。さらに、以前Uberで問題となったGod view(神の目というネーミングもどうかと思うが、配車の状況を俯瞰する機能を指しており、誰がどこで配車を待っているかなど、ユーザーの同意なくその私生活が筒抜けになっていたのではないかとの批判が起きた)のように、本当であれば社会的正義の達成とは程遠いシステムの構築にも、自分の技量を試したい優秀なエンジニアが一役買っているといったこともままある。


  • VISITS Technologies株式会社 エグゼクティブディレクター

     今を我が世と思うGAFAなどのプラットフォーマーへの厳しい対処の必要性が感じられる。一般ユーザーはプラットフォーマーから無料でメールや地図アプリを使わせてもらう一方で自分の個人情報を提供している。ID情報を提供しつつ決済機能をプラットフォーマーに依存することで一層ロックインされ、ほかのプラットフォーマーへの乗り換えが難しくなる構図を作っている。こうしてプラットフォーマーは他社の参入障壁を設けることでその地位を確立している。
     このような巧妙な仕掛けから政府はプラットフォーマーを危険視し始めている。欧州がGDPRを盾にGoogleに対して執拗に制裁を課しているし、米政府も公正な競争の観点からGAFAを議会に呼び出してお灸をすえている。
     プラットフォーマーは政府以上に国民生活のインフラを提供し、利便性を届けているようにも見えるが、勿論彼らは営利企業であり、国民から選ばれた人間がコントロールしてるわけでもないことを痛感させられるのが、ここで縷々述べられている課税回避問題だ。
     法の抜け穴をついた課税回避はどう言い逃れようとしても良識ある行動には映らない。善良な市民としての立ち居振る舞いがプラットフォーマーにできていたら、果たして今のように政府から危険視されることはなかったのではないかと思うし、一定の縛りが必要となるのはやむなしであろう。


  • ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー

    この章、知っている人には当たり前に映るかもしれないが、知らない人にはすべての事件がつながって見えるようになる、ミステリーのような面白さ。
    GoogleがAndroidを買い、FacebookがWhat'sAPPを買うと、欧州委員会に目を付けられ、Appleが反広告ともいわんばかりにプライバシーを叫ぶ。それでもGoogleはYoutubeを買い、FacebookはInstagramを買う。国はプラットフォーマーを恐れ、糾弾しながらも、その税収を我がものにしようとする。微妙なバランスの中で成り立つ関係と思惑は、「事実は小説よりも奇なり」を思い起こさせる。


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