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 デジタルテクノロジーの急速な進歩等を踏まえて人類の未来を大胆に読み解いたユヴァル・ノア・ハラリは「ホモ・デウス」(河出書房新社)の中で、資本主義が共産主義に勝利したのは、共産主義がデータの集中処理が必要なのに対して、資本主義は、データ処理が分散的だからだと指摘している。資本主義は、個人や企業が利益というモチベーションで、自由に分散的に活動する仕組みで、共産主義より生産性を高めることができた。
 自由な経済活動で活力を引き出す資本主義は、政治体制としては、民主主義と相性が良い。
われわれは、どこかで共産党一党独裁の権威主義的な政治体制の中国は、資本主義のダイナミズムを取り込めず、いずれ経済成長は限界を迎えると考えているのではないか。
 しかし、ハラリはAIの進展で、データの一括管理が有用性を高めると、中国が採用している共産主義が社会システムとして優位になりかねないと分析する。新型コロナの感染防止という大義名分があれば、国家が監視カメラやネット上の個人データを一括管理、分析することの有用性が高まる。塩野氏も、AIの進展が権威主義の優位性を高める可能性を踏まえ、大量の個人データで政府が国民を監視する中国の「社会信用システム」の在り様、フェイスブック等のSNSを活用して米大統領選などで世論操作が進んだ内情を豊富な事例と鋭い分析力で読み解く。新型コロナの感染拡大防止に権威主義国家の監視テクノロジーが寄与したことが、自信を失う西側諸国により一層の揺らぎを与えた、との塩野氏の指摘は重い。今、挑戦を受けているのは資本主義と民主主義そのものだと言えよう。
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民主化にも権威化にもデジタルテクノロジーが利用される中で、陰と陽をフラットに伝える。

特に私も縁のある中国に関しては、誤解や偏見にまみれた日本においてしっかりと良し悪しを照射しているし、日本人が盲目的に良い評価を下しがちなアメリカに対しても、同様にフラットに語るため、世の中の状況を改めてフラットに学ぶ契機になるのではないか。

これを見ていると、逆に中国は、日本人の感覚から見て怖い点もある一方で、国民に「こういうことをします」と明言している。対して、ここで書かれるデジタルプラットフォーマーや米国選挙のケンブリッジ・アナリティカの問題、ロシアのIRAの話を聞いていると、むしろ隠れて世を操ろうとするのは西欧的な事例に多いようにも感じる。

「テクノロジーを手に入れた権威主義国家が国内秩序を維持する中、自由な民主主義国家は選択を迫られている」という投げかけは、今を生きる多くの人にとって逃げられない問い。是非この点は、塩野さんと議論してみたい。
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