安倍首相 辞任の意向固める 持病が悪化したことなど理由に
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国家の最高指導者の進退を決められるのは、最終的には本人だけです。健康不安が露見して後継の動きも加速するなか、仮にとどまる意向を表明したところで、政治的にはもたない展開になっていったでしょう。自民党総裁任期は来年9月まで、衆院議員任期は同10月までというスケジュールから逆算すると、政治空白をつくっていいタイミングは限られます。その意味でこの夏から秋にかけては、相対的にみて有力な選択肢の一つでもありました。
通算、連続ともに歴代最長の長期政権。心身ともに限界を迎えたのでしょう。私自身、政治記者としてさまざまな首相の退陣劇を取材してきました。第1次安倍政権の突然の退陣劇は、その中でも最も驚きました。今回はある程度、予想させる余地を首相自身が残してきた末の決断にみえます。首相なりに布石を打ったうえでの退陣だったのかもしれないなと推察しています。
総括は別の機会にするとして、第1次政権まで安倍番を務めた一人の人間として一言付け加えさせていただきます。本当にお疲れ様でした。療養のうえ、早期に回復されますよう心よりお祈り申し上げます。マーケットからの心配事はとにかく第二次安倍政権から復活した株価の行方でしょう。円相場に関しては、貿易黒字なき今、さほどヒステリックな円高に戻ることは無いかと思われます。注目点はマクロ経済政策の組み合わせ(ポリシーミックス)の在り方であり、安倍路線を継承できる人物であれば株買いは当面続く・・・ということになりましょうか。選挙となった場合、マーケットは久々に日本材料で動くことになりそうです。この1か月ほど、この点に関する海外からの照会はとても多いものでした。
やはり根も葉もない噂というのは立たないものなんですね…。これによって政局はどう動くのか、解散は早まるのか、引き継ぎは。色々な点は気になりますが、まずは総理にお疲れ様でしたとお伝えしたい。