【異例】なぜ今「野党議員の映画」に注目が集まるのか
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「いい作品とは、見た人が作品のどこかに自身を重ねられるもの」と聞いたことがあります。であるが故に、見た人は一様な感想を抱くのではなく、様々な感想が生まれる、と。
『なぜ君は総理大臣になれないのか』は、様々な感想を生む作品だと思います。
小川議員にもどかしさを感じる方、議員のご家族に感情を重ねる方、議員の信念に胸打たれる方、監督のまなざしに心動かされる方、それぞれの方がそれぞれの感想を抱く作品だと私は感じています。
今回、この記事の執筆にあたり、小川議員・大島監督の両名に直接お話を伺いました。
正直、直接お話を伺う前は「小川議員が言っていることは理想論に過ぎないのではないか」という思いをどこか抱いていました。
ですが、取材当日70分間、議員の口から直接お話を伺ったら「この方の信念と、それを実現させるために続けている行動は、まぎれもなく本物だ」と深く深く感じ、心動かされました。あまりに大きく心が揺さぶられて放心状態になり、取材後半日何もできなかったほどです。
映画を見ると感じる、『なぜ君は、そんなにまでやり続けられるのか』という疑問に対しての答えの一端が本文には書かれています。
記事をお読みいただき、それぞれの方が感じる様々な感想をお伝えいただけたら、執筆者としてこんなに嬉しいことはない、と思っています。
政界が重大局面を迎えている今だからこそ、「ある野党議員のある思い」を目にしていただけると幸いです。純粋で真っ直ぐ、志高く政界入りした青年が徐々に永田町政治に飲み込まれてゆく姿がリアルに映し出されていました。そして彼もまた『女帝』に翻弄されたひとりですが、無所属となり吹っ切れたエンディングの顔がとても印象的な映画でした。館内はひと席空けてのソーシャルディスタンスながら満席。終幕後、マスク越しに鋭い眼光の男性を見つけました。『無敗の男』中村喜四郎議員。鉄壁の地元組織で、ある意味小川氏とは対極的な立場にも思えますが、最近は野党再編を呼びかけ表舞台での発言が目立ちます。次のリーダーが決まる9月政局、野党再結集の中でこの2人の動きにも注目しておきたいです。
胸が痛くなるような映画でした。なぜここまで国のことを考えていても、政治的な力を持つことができないのか。家族に大変な思いをさせながら、野党議員という立場に甘んじている状態で、なぜ議員をやり続けるのか。
今回、そのような疑問を小川議員本人にぶつけました。その答えは明快であり、かつ道のりの遠さを思わざるにはいられないものでした。