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【深層】アメリカ社会を揺るがす「Qアノン」の闇

NewsPicks編集部
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  • 鹿追キリスト教会 牧師

    聖書本来の価値観は、善と悪の対立という二元論ではありません。
     
    終末における大患難時代と、その最後に起きる最終戦争(いわゆるハルマゲドン)において、悪の軍勢を呼び出して世を裁くのも、悪を滅ぼすのもキリストであると、新約聖書の黙示録に明記されています。
    キリストが王として地上に戻った再臨後に千年王国が築かれるわけですが、この終末観においては、人間が介入する余地はまったくありません。
     
    人間は、神の裁きの前に、ただ救いを求めるしかないという、ひたすら受け身の存在でしかないわけです。
    人間は誰もヒーローにはなれないわけですから、このような終末観は、人気がありません。
     
    ですから実際に、キリスト教界の歴史において圧倒的に支持されてきたのは、善と悪の対決という二元論的な終末観でした。
    理想世界である千年王国は、この世における善と悪の戦いの結果誕生する。善の勢力に加わって戦った者は、千年王国に入ることができる。とても分かりやすい世界観です。
       
    オバマ大統領が就任した頃にも、同様の陰謀論を目にしました。“宇宙の高度な知性が、地球の闇の勢力に勝利するために選び出した使者が、オバマ大統領である” そのような内容でした。政治的立場は違えど、本質は同じです。
     
    突飛な極論や陰謀論でも、自分自身にとって利になるのなら放置して、消極的に利用するという施政者の態度は、他国や日本でも同様に見られることだとも思います。
     
    某歌手は、闇の勢力にあらがって殺されたのだ、というような陰謀論を巧みに用いて、独自の終末観に人々を引き込んでいたのが、オウム真理教でした。
     
     “この世では、誰も知らないところで善と悪の壮大な戦いが繰り広げられており、その一端に自分自身も加わっているのだ。” 多くのカルト教団にも共通した教理ですが、人を惹きつけて止まない、大きな魅力があるのだと思います。
     
    経済的、社会的な二極化が進む中で、これからますます増加していくのでしょう。


注目のコメント

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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    QAnon運動は、典型的な千年王国運動です。キリスト教の終末論では、世界の終わりが来る前に、至福の千年間があるとされています。千年王国が成立する前には、巨大な善と悪の戦い(ハルマゲドン)があり、善が勝利する、とされています。
     QAnon運動は、巨大な善と悪の戦いが今まさに起きている、トランプ大統領は善の軍勢の旗頭であり、自分たちは善の戦士である、という設定です。したがって、キリスト教の教理にも従っており、実際、キリスト教右派ともかなりの程度融合しています。
     千年王国運動は、キリスト教の歴史で無数に繰り返されて、フス派の反乱やルターの頃の宗教改革運動も、千年王国運動の傾向が非常に強くありました。
     千年王国運動は、キリスト教の外にも広く影響しています。マルクス主義も同じ構図(資本家と労働者の最終決戦=革命で、至福の時代が実現される)です。オウム真理教がハルマゲドンが起きるというのを、荒唐無稽な政権奪取計画の大前提にしていた、というのも有名です。
     QAnon運動も他の千年王国運動も、結局、人々の不安につけこむ手法です。いつの時代も世界は複雑すぎて、思わぬきっかけで、人は絶望的な状態に追いやられます。特に疫病の流行や戦乱、経済の破綻、気候変動などによる危機の時代に千年王国運動が盛んになった例は、歴史上数多くあります。近代以降も変わりません。
     多くの人は、複雑すぎる世界と向かい合い続けるよりも、不安の消滅を望みます。ナチスは自らの政権を千年王国と称しましたが、彼らがドイツ人に提示したのは、「不安の除去」でした。子供たちが誘拐されているとか洗脳されているというのは、大昔から千年王国運動が煽る陰謀論の典型です。ナチスは、子供たちに及ぶ危機も、経済の破綻も、全てユダヤ人が犯人であるとして「不安を除去」しました。障害者が生まれてくるという不安を除去し、有機農業による安全な食品、健全な娯楽を提供しました。
     QAnon運動も、4chan、日本でいう2ちゃんねるから発祥したという以外、過去の千年王国運動と変わらないですが、米国社会の不安が、おそらく史上最も深刻なほど大きい、という背景がまずあります。世界最先端の格差拡大、中間層の脱落、教育と医療の劣化、等々がいわれてきましたが、米国社会の絶望については、まだ限られた理解しかされていないでしょう。


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    講談社 宣伝統括部担当部長

    人がなぜ陰謀論を信じるのかといえば、出口治明さんが、『陰謀の日本中世史 』の書評で書いていたことを思い出します。

    「人はなぜ陰謀論を信じるのか。それは「単純明快で分かりやすく」、「歴史の真実を知っているという優越感を抱ける」からであり、インテリほど騙されやすいのである。その点、陰謀論は疑似科学に似ている」


  • 飛月 代表/#Eddie Guerrero Tribute

    "Qアノンは純粋な政治運動と誤解されることが多い。だが、信奉者にとっては共同体そのものであり、娯楽の源でもある。"

    この一文の理解が重要かと思います.
    日本でも「反ワクチン系アカウント」と「それをバカにするアカウント」が終わりなき戦い...のような一種の生態系を作っている.
    「ツイフェミと揶揄されるようなアカウント」と「それをバカにするアカウント」...
    アメリカで言えば,「BLM原理主義者」と「それをバカにするアカウント」...これらも同様でしょう.
    抵抗勢力,「敵」を敢えて作るような物言いが特徴で,自分側の正義を主張し,敵と闘う「快楽」が動機の源になっているのだと思います.
    5G電波系...コロナは風邪系...
    時に科学から都合の良い解釈を取り込み,時に自分の感情論を語り,自分たちのメンバーシップ同士で正義を確認し合い(時に内ゲバもしつつ),「敵」と闘うツイートとRTといいねをして,日々の仕事をやり過ごす...
    彼彼女らは,互いの抵抗勢力と,自分らの味方と共に戦う事で,毎日が充実している錯覚を得ているのだと思います.
    NPを含むSNSでは,自分がそのような書込み者になっていないかを自戒しつつ使うのが大事ではないでしょうか.


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