ジンバブエのインフレ率、840%近くに 政府は危機を否定
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どうでもいいけど、ジンバブエノハイパーインフレの話が出ると、こぞってコメント欄に「日本がジンバブエのようになると言っている連中はアホだ!!」という主旨でcurseしている人が多くなるのが興味深い。
NPのコメント欄見ても、形成と理屈を読んでか日本のハイパーインフレの危機への継承を鳴らしている方も大激減・・というかいない。
MMT論者の方々のこれまで言われ続けてきた積年の想いから来る大逆襲劇が戦国時代物語的でおもしろい。
注目のコメント
ジンバブエではなぜハイパーインフレが続くかというと、国際通貨基金(IMF)からの借款があり、それを返済するために自国通貨ジンバブエ・ドルを大量に発行し、マネー・サプライを無計画に増やしてきたからです。
ジンバブエがIMFからの借款返済に追われるようになったきっかけは、2002年から「土地改革」と称して、白人農家の農場等の資産を接収して、黒人に分け与えたことです。白人農家がジンバブエを去ると、農業生産も流通も破綻し、基幹産業である農業も輸出も急速に衰退しました。
当たり前ですが、自国通貨を刷り続けても、それだけで外国からの借款を返還できるわけではありません。そもそも外貨収入が無いのですから、ジンバブエ・ドルは通貨市場で急下落し、膨大なマネー・サプライは、ハイパーインフレを招きました。ジンバブエ・ドルは、毎年デノミで10何桁か0の数を減らしましたが、それでもハイパーインフレに対応して0の数は増え続けました。
いったん落ち着いたのは、2009年以降、米ドルや南アフリカ・ランド、あるいは人民元といった外貨をジンバブエの法定通貨として流通させるようにしてからです。
しかし、当たり前ですが、そもそも外貨収入がないので、国内で流通する米ドルなどの外貨が不足しました。そこで、ジンバブエ政府は、2016年、米ドルと同等の価値を持つと定めた「ボンドノート」を新通貨として発行し、流通させようとしました。今、インフレを起こしているのは、このボンドノートです。
ジンバブエ政府は、ボンドノートが米ドルと同等の価値を持つと言いますが、実際に交換してくれるわけではないので、当たり前ですが、信用されません。実質的にはジンバブエの通貨が急下落していて、IMFからの借款は返せないままです。他の諸外国も、金を貸してくれません。
https://www.afpbb.com/articles/-/3109404価格が上がると需要が減って、価格が下がると需要が増える。価格が上がると供給が増えて、価格が下がると供給が減る。右肩下がりの需要曲線と右肩上がりの供給曲線が交わるところで価格が決まる、というのはたぶん中学生でも知っている“理論”です。
国が生み出せるモノやサービスの量には限界がありますから、政府と国民が供給力を超えて消費し過ぎると、不足が生じて物価が上がり、消費が足りないと物価が下がる。足りなければ外国から買って、余れば外国に売って調整することはできますが、足りない分を買うには国全体の過去の貯蓄を取り崩すか外国から借金するしかありません。アメリカみたいに信用があると外国がお金を貸してくれて際限なく消費出来ますが、信用がなくてお金の借りられないジンバブエだと、いかに苦しく貧しくとも供給力の範囲で消費するしかないんです。
帳尻を合わせる手段は基本的に二つしかなく、増税して国民の消費力を落として国全体のバランスを取るか、物価を上がるに任せて需給の均衡点を見つけるかです。自国通貨建ての国債は破綻しないからどんどん発行して財政支出を増やせ、インフレが起きそうになったら増税すれば良いというMMTは、インフレが起きそうになったら前者の手法を取れと言っているわけですが、ジンバブエを見ていると、行き着くところまで行ってから増税するのは政府にとって相当難しいことであると感じないでもありません。
「同国の人々はその多くが、貯蓄が消え去っていくのを目にし」とありますが、インフレは庶民の貯蓄を税金として取り上げるのと同じです。政府が乱暴にお金を使って供給力が消費に追いつかなければ、いずれにしても増税は不可避です。
年率840%ということは単月では20%くらいの上昇ですから、物価が1年で8.4倍になると決まったわけではありません。そここそのところに収まると良いですね・・・ (・・;