焦点:「鉄のカーテン」再びか、ドル圏から締め出し恐れる中国
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ブレトン・ウッズ体制と呼ばれた「金・ドル本位制」は、金とドルの固定相場制を改め、変動相場制となったことで崩れましたが、ドルは現在でも世界の基軸通貨としての地位を占めています。中国がドル圏から締め出されれば、中国の国際的な経済活動に大きなダメージを与えるでしょう。
しかし、現在の国際的な金融取引は、デジタル通貨などの使用などもあって、以前よりはるかに複雑になっています。さらに、中国の経済的影響力が高まり、外国に対して人民元建の取引を要求するようになっています。
米国が中国に決定的なダメージを与えたいのであれば、米国の基軸通貨としての地位が確固たるものである間に中国を締め出さなければならないでしょう。現在でも、無視できない経済規模の中国をドル圏から締め出せば、世界経済に大混乱を招くことになります。中国がこれに対抗する手段を強化すればするほど、ドル圏からの中国締め出しは、米国を含む各国経済に致命的なダメージを与える可能性が高くなります。ドル決済の枠組みから中国を遮断したり、中国の膨大なドル建て資産の一部をアメリカが凍結させるような事態は、米中経済相互依存の中、通常はあり得ないのですが、そのあり得ない話も少しずつですが、議論されつつあります。