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【解説】巨大地震のブレーキ役か。「スロー地震」の不思議

NewsPicks編集部
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  • NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト

    スロー地震は、体感できない、非常にゆっくりとした「地震」です。大地震の予兆とも言われてきましたが、まだ未解明の部分が多い現象です。

    昨年8月、東日本大震災で本震の北側と南側に広がるスロー地震の多発帯が、本震の拡大に「歯止め」をかけていた可能性があるとする興味深い研究成果が、米科学誌Scienceで発表されました。

    この論文の筆頭著者でもある新進気鋭の研究者、西川友章博士に、スロー地震と今回の研究成果、さらに、巨大地震が起こると想定される南海トラフ周辺のスロー地震について、わかりやすく解説してもらいました。


  • 国内航空会社 気象予報士

    スロー地震を理解するには、プレートテクトニクスをイメージする必要があります。小学校でも習いますが、海溝型の巨大地震は海のプレートと陸のプレートがぶつかり合うことでエネルギーが蓄積され、あるタイミングで一気に歪みを解消しようと滑ることで発生します(ここでいう速い地震のことです)。ところが、プレート同士がぶつかるところに潤滑油が塗ってあったらどうでしょうか。ぶつかってもお互い歪みを溜め込むことなく、ヌルヌルと常に滑ったような状態になり、巨大地震は発生しないことになります。
    スロー地震はこの間にある状態といえ、被害を与えるような揺れにはならないが、プレート同士がぶつかることによるエネルギーを少しずつ逃すことができる状態ということができます。東日本大震災の関連地震が海溝沿いの南北へあまり大きく広がらなかったのには、スロー地震によりエネルギーがゆっくり解放されていたからという見方もできるのです。ただし、スロー地震により開放されるエネルギーはせいぜいマグニチュード6台なので、プレート間巨大地震がマグニチュード8クラスであることを考えるとエネルギーはたったの1000分の1で、スロー地震があるから巨大地震がないというと、それだけでは圧倒的に説明不足です。
    また、スロー地震があるからエネルギーを解放してくれているところと、単に巨大地震が発生する前兆としてのスロー地震が混在していることも話をややこしくしています。また、スロー地震なら揺れによる被害がないので安心かというと一概にそうでもなく、スロー地震で揺れが小さくとも、海溝付近の地形の変化量が大きいと大きな津波を発生させることがあります。たとえば明治三陸地震はこのタイプの地震であったと考えられており、揺れが小さいから津波もないだろうという思い込みは危険です。
    日本は世界で発生するマグニチュード6以上の地震の22.9%が集中する、稀に見る地震国です。地震に対しての正しい知識を身につけることが、一人ひとりや身近な人の命を救うことにつながります。どうぞ研究の推移について見守っていただければと思います。


  • 地震学が、学問としてではなく、実際に人の命を救うところまで実生活で利用されるところまで昇華することを願います。

    予想外の結果を研究している、といことは、はあくまで学問としての領域なのだと。

    スロー地震が、大地震を招く地震か、そうでないかは、スパコンで可能になりつつあるそう。

    尊い命が地震で奪われない未来になることを切に願う。


    スパコン「富岳」で予測可能になった「南海トラフ地震」

    https://news.yahoo.co.jp/articles/6ec5add7279aa865f7d74e05d8abb9f8c3c6a70c


    「まず、地震予測に必要な過去の地震データを、より明確に分析できるようになります。それにより、巨大地震の発生が危惧される南海トラフ周辺で起きた小さな地震が、プレート本体と関係ある地震なのか、まったく関係ない地震なのかを区別でき、危険な場所を特定できるようになります」


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