6月の経常黒字、86.6%減 新型コロナで貿易縮小
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季節調整値でみると、経常黒字は前月から+27.8%増えてます。
最大の要因は、貿易赤字が前月から▲58.3%減ったことです。
特に、輸出が増加に転じたことが大きいですね。新型コロナウイルス問題が深刻化する直前の2月ころまで1兆円台後半から2兆円台前半で動いていた毎月の経常収支の黒字幅が、3月から4月にかけて急減し、4月は2千5百億円まで落ち込みました。自動車等の輸出が急減する一方、エネルギー等の輸入は減らず、貿易収支が1兆3千億円の赤字に陥ったことが主因です。貿易収支の赤字は5月5千億円、6月は2千億円と縮小しており、これが6月の経常収支の黒字増加の主因です。
資源を輸入に頼る我が国は輸入と輸出の間で生み出す価値で成長せざるを得ない宿命を負っており、経常収支の黒字も、政府の赤字を民間が埋めて国全体が黒字という意味で、円と国債の信用を維持する要です。両者が共に改善傾向にあるのは良いことですが、我が国の成長にとって重要な貿易が輸出入とも低調であること、経常収支の黒字幅も未だ必ずしも高くないことに留意が必要な状況が続いているように感じます。