TikTokを失ったバイトダンスには何が残るのか?
コメント
注目のコメント
これは、半分、わたしのNoteで書いた未来予想図(中国国内のオンライン教育事業にフォーカス)と重なりますね。
(TikTok本著者が語る、TikTok今後の動向:https://note.com/future392/n/na313ca80cf14)
ただ、この記事で言及している内容で大きく違和感を感じるのが、欧州ではカントリーリスクが少ないこと、そしてゲーム事業であれば政治リスクが少ないという点です。
実際、TikTokは欧州では青少年が使うAPPとしての不健全性の懸念やイメージアップに非常に苦心してきました。また、ゲーム事業もテンセント 社が中国国内ですら「青少年の教育に良い影響を与えない」と政府に大きな規制を掛けられたりと、リスクを孕んでいます。
結局、そう言った部分を整理すると、いちばんリスクが少なく、かつ市場性の伸びと両軸で重なるのが中国国内市場でのオンライン教育事業とDOUYINのライブコマース周辺の拡充なのです。TikTokを失う?視点を変えてみれば、グループの4%の売上の法人を手放して、時価総額15兆円の1/3のキャッシュを手に入れる(記事が正しいとすれば)ので、絶望することはない。そもそも米国TikTokは米国企業の買収で作ったもので、いい投資になったと思えばその通り。
バイトダンスの今後の戦略の一つは中国国内。アリババは海外で一切EC事業をやっていないが、現在の時価総額は70兆円(トヨタのほうがよほどグローバルだが)。実は中国ではTikTokは短編動画において不動の一位ではなく、「北快手,南抖音」と呼ばれるほど、ものすごい強敵がある。詳細はここで控えるが、ECやオンライン教育など楽しみのものが多い。
一方、海外に目を向けると、さらに二つの戦略がある。一つは海外本社を立ち上げること。創業者の張さんは国際派でどちらかというと中国政府との間はアリババやテンセントほどよくない。欧州で本社を立ち上げて真のグローバル展開を続けてやることが一つ。まだアフリカ中東、東南アジアなど、世界が広い。
もう一つは投資。実はすでに電気自動車企業に多額の投資をしている。アリババのように、海外で自前の展開をせず投資をしていくことも戦略として考えられる。
本タイトルのように「何が残る」かではなく、軍資金を手に入れさらに羽ばたく可能性が大きい。彼は37歳で、バイトダンスを立ち上げたときにまだ20代。中国人だから海外展開ができないなど、「原罪」的な烙印を押されるのは仕方ないが、生まれは肌と同じように選ぶことができない。
黒人だからビジネスができないなんて今頃言う人がいないのと一緒、この37歳の青年が15兆円企業をたった8年で育てたので、今後はもっと楽しみだ。-TikTokがバイトダンス全体の業績や評価額に及ぼす影響は限定的なものといえる-
そんなわけない事は考えるまでもないですよね。直近評価額が14兆円の会社のいち事業部門に5兆円を付けて買おうとしいている人がいる時点で。
-リスクの少ない地域に軸足を移すことだ。欧州などはTikTokが開拓を続けられる市場の一つだろう。-
これも誤り。中国企業の事業活動についての欧州における地政学的リスクは米国に準ずる程度には厳しいです。それは英国のファーウェイ対応やドイツはじめ各国の中国資本直接投資規制など見て明らかです。