【1分解説】セブン2兆円の「大勝負」3つのポイント
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注目のコメント
良いタイミングの記事、と思ったら内容が薄くて残念。ぜひ更に追いかけてほしいです。
特に第一報でコメントしたように、店舗あたり5億円という金額がどう正当化できるのかを知りたいところです
https://newspicks.com/news/5118065
日本だと近年では「店舗数至上主義がいかん」的な空気になってきてますが、コンビニは全店規模を増やすことと店舗密度を上げることが収益上の絶対のセオリー。特に物流コストが重い中で配送効率を上げられるかは最重要。もちろんM&Aをしても物流を統合しないとその意味での効果はないし、その前提としてはある程度商品を揃えていく必要がありますセブンの2兆円の買収が発表されましたが、株式市場は直後、ネガティブに反応しました。過去最大の買収ですが、ガソリンビジネスが将来的に伸びなさそうとと受け止められているようです。
全額借入れによる調達になるので、財務内容は一時的に悪化しますから、買収の効果が結構問われてくるでしょう。
ただ複数のアナリストの意見を頂戴しましたが、額は巨額であるものの、そこまで不安視していないというのが一致していました。
利益構造を見て見ても、ガソリンビジネスの売り上げも含まれる北米の方が、日本よりも利益が上がりにくい。つまり、やはり将来的に期待できるのは、プライベートブランド開発などであるということが現時点の数字が物語っていると思います。
過去の買収先もセブンの商品開発力の恩恵を受けて、売り上げを伸ばしている実績があるので、今回の案件も成長ドライバーとなって行くのではないでしょうか。
それにしても、ファミマにセブン、される側かする側か、で違いますが、コンビニの成長も違うステージに突入してきているように見えます。引き続き、レポートをし続けます。買収発表資料や、日本でのコンビニの歴史からもう少し紐解いていきたい。
資料:https://www.7andi.com/ir/file/library/ks/pdf/2020_0803ks.pdf
資料のポイントは、山田さん、井口さん、田中さんがコメントされている(皆様ありがとうございます!)以下3点。
①米国チェーンの分散的な構造(スライド9)
②地域Mix(スライド20)
③粗利Mix(スライド7、19)
さらに深堀してみる。
まず①・②の分散・地域構造。日本のセブンは「地域ドミナント戦略」で拡大した。コンビニは、小店舗・多品種のために、物流ロジが生命線。地域密度を上げて、それを効率的にする。地域的に補完関係があることは、密度は上がらない。それは日本でファミマが買収を続けたり、ローソンがコンビニ初の47都道府県制覇しても、セブンには収益性で負けている。
ただ、日本に比べて国土が広く、チェーン構造が分散的。相対シェアが高ければ、特に小規模チェーンより有利になり、日本ほど絶対的な地域ドミナントの重要性が低いと思う。
また、セブンの日本での歴史を見ると、店舗数が驚くほど安定的に平成20年くらいまで伸びている。初期から毎年300店舗近くの増加という驚異的なペースの一方で、一定広がった後は二次関数的には伸ばさず制御してきた。最初の数年はローソン・ファミマはもっと遅く(当時はスーパーが商店街つぶしと言われていた時期で、FCなのか直営なのかでセブン以外は悩んでいた時期だったはず)、その差が経験蓄積やFC募集の差にもつながったはず。米国が分散的な今だからこそ、今一気に差をつける意図に見える。
https://www.sej.co.jp/company/suii.html
③の製品MIXについて。セブンは約1万店舗で、売上360億ドル、半分が商品なので店舗あたりの年間商品売上は約180万ドル(月15万ドル、日5000ドル)。Speedwayは約4000店舗、商品売上63億ドルなので店舗あたり160万ドルでそんなにセブンと変わらない。おそらく立地含めてガソリン売上が多い(100%併設)。
スキームも、セール&リースバック活用し、ヘッドラインの2兆円超より実質のキャッシュアウトは小さい。企業の命運をかける規模の買収だが、当初報道よりかなりポジティブな印象。